沢の緑はことのほか美しく、水の流れもやさしく、時には激しく、たくさんの虫さんが体にまとわりつき…
歩いているうちに、おっさんはなぜか胸にこみあげて来るものがありました。
「なんなのだろう、この熱い想いは!」「そっかあーー」
幼い頃近くの川や沢を走り回り、小魚を追いかけ、木の切れ端を持って遊びまわったあのセピア色の想い出が、おっさんの脳裏によみがえってきたのでした。
でもそんなおっさんも首の周りは虫にさされて赤くはれ上がっていたのでした。「これが自然だい!!」などとつぶやいたおっさんでしたが、かゆいのなんのって、とほほほの世界だったのです。
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