高原温泉〜緑岳へ

今年は花々の咲き始めに少しだけこだわりを持って歩くことにしていた。もちろん満開も美しいのだが、蕾もつけながら咲く花々の表情はとても新鮮で輝きがある。「去年は7月9日よ、だからちょうど良いんじゃない〜〜新鮮なチョウノスケソウにも出会えるかもしれないし・・・」

2006年6月30日午後8時、帰宅後すぐにザックを車に積みこみ夜の高速を直走る。愛山上川ICで高速を下りてコンビニで食料などを仕入れ層雲峡温泉駐車場へ。久々に同行するkoyaさんはまだ来ていない。少し疲れを感じながらすぐに車中で眠りについた。
7月1日、目覚めるとkoyaさんの車が隣に止まっている。携帯で起こしてすぐに高原温泉の駐車場へ!午前5時50分、私達は緑岳に向かって出発した。

上空には抜けるような青空が広がっていた、しかも風が無い。少し進むと急斜面が待ち構えている。もう何回も来ているのでここはゆっくりと登って行く。見晴し台まで約30分、耐えねばならない登りなのだ。見晴し台からは第一お花畑に向かって階段を登ったりしながらのんびりと進む。「すごく整備されていますね、あっ、これはまるで用水路みたいだ・・・このあたりはきっと崩壊が進んでいたんでしょうね」そんな言葉を交わしながら登って行くとやがて上空に青空を感じる。

出発だ
写真提供:koyaさん

さあ、さあ、・・・
第一お花畑へ向かう

かん木の間を抜けると一気に視界が広がる。「うわぁ〜〜〜」声が出る瞬間だ。目の前にはまだ一面残雪に埋もれた第一お花畑が広がり、その向こうには目指す緑岳が大きく聳え立つ。抜けるような青空、緑の山肌に刻まれた白い残雪模様・・・おばさんはそんな光景を楽しむように進んで行く。北大雪の山々の輪郭もクッキリと確認出来る。

緑岳
前方に緑岳が大きく聳える

北大雪だ
北大雪の山々〜左から屏風岳、武利岳、武華山等・・・

「あっちの方向ですね」koyaさんが指差す。残雪上には所々に目印としてベンガラと呼ばれる赤い顔料がまかれていた。「それにしてもスゴイ天気ですよねぇ〜〜〜これだけ見えたらもう、花が咲いていなくても・・・満足しちゃうかも」koyaさんはそう言いながら笑った。

振り向くと背後には大きく石狩連山が広がっていた。昨年もこの光景を見ていたが今年はまた一段と美しい。私は少し急ぎ足で先行し、振り向いてカメラを構えた。
「このあたりでちょっと休憩しますか」私達は残雪の上でザックを下ろした。広がる展望に目をやりながらミネラル飲料を飲む、、、「今日はのんびりしましょうよ、、、」「良いですね、、、」・・・「こんな景色を見てると何かもう下りるのが嫌になってしまいそうですね〜〜〜」

今回の山行は昨年と同じで、高原温泉から緑岳に登り、小泉岳を経て白雲分岐へ、白雲岳には登らずにそのまま避難小屋へ下り、緑岳と2099m地点の中間付近(避難小屋分岐)に出て帰路に着く、と言うルートである。崩壊地を慎重に登りかん木のトンネルをくぐって進んで行く。

石狩連山を背後に
石狩連山を背後に

石狩連峰
ユニ石狩岳、音更山、石狩岳、ニペソツ山

崩壊地
崩壊地

「コケモモはまだ咲いていないねぇ、去年はすごく可愛らしく群がって咲いていたんだけど〜〜〜イソツツジももう少しか・・・」約1週間の違いで花々の開花状態は違っていた。

視界が開けたところで休憩ポイントである。「あっ、コマクサが咲いているよ」おばさんが大声で叫んだ。私はカメラを持って近づいた。クロマメノキやミヤマキンバイ、メアカンキンバイも咲き競う!!!

クロマメノキ
クロマメノキ

コマクサ
コマクサ

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