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2005年7月3日早朝、おっさんとおばさんは島牧村に向かっていました。今回目指すは大平山です。この山には過去2回、1999年、2001年の8月に登っていたのですが、少し早い時期の花模様なんかも見たい、との狙いもありました。
上空は晴れあがり青空一色です、「こりゃあ、今日も暑くなるぞ」おっさんとおばさんは顔を見合わせながら頷いていました。島牧村に入り、泊川橋を過ぎてすぐに左折(宮内温泉へ向かう道)、ここから約8km地点で通行止めゲート前へ到着です。すでに7,8台の車が止まっていました。午前7時25分、いよいよ登山口へ向かって歩き始めたのでした。

橋
ナガセ橋

トンネル
河鹿トンネル

ゲートを過ぎて間もなく長い「ナガセ橋」を渡り、その先の完成した延長1227mの河鹿トンネルを通って行くわけですが、もちろん照明が無く途中でカーブしているため、出入り口の明かりも届かずさすがにヘッドランプをつけながら出口を目指して歩くこととなりました。ただ非常に涼しいのが助かりますけど・・・

トンネルを出て「湯の沢橋」を渡ると舗装も切れて、草ぼうぼうの林道となり、踏み跡に沿って少し進み「盗難防止パトロール中」の旗から山側の登山道に入りました。ゲートからここまで約2kmくらいでしょうね。少し登ると入山ポストのある登山口となります。

山へ
この旗から山側へ

登山口
登山口

登山口には「大平山高山植物保護対策協議会」の作成したパンフが置いてありました。高山植物の盗掘や踏み荒らしが多発しているようです。貴重な自然に囲まれた大平山、なんとか大切にしながら楽しめる接点を見つけて行きたいものですね。
パンフには(禁・転載となっています)登山道の概略図があり、滑落や落石注意個所も記入されています。所要時間は、登り下りとも4時間〜体力に自信のない方はご遠慮下さい、、、とのコメントも書かれていました。

確かにこの山は登山口から山頂までの標高差は1050mほどもあり(標高1190.6m)、しかも沢地形や草付きの急斜面、片側下がりの歩き難い登山道、崩れ易い岩場、藪漕ぎ、途中には案内標識は無し、、、とワイルドな条件が揃っているのです。さらに樹林帯を抜けると(標高約660m)あとは山頂まで遮るもののない登山道を進むこととなり、天気の良い日には想像を超える暑さが待っているのです。

7時55分、二人は登山口を出発しました。ミネラル飲料1L、お茶1L、ミネラルゼリ−2袋、水1L、冷凍したフルーツゼリー大2個、冷たいミカン2個、ミニトマト、、、等の入った重めのザックを背負いながら、やがて草木の生い茂る沢に突入すると、やはり虫さんの攻撃が待っていましたが、でもそれほどでもなく(事前にしっかりと防虫スプレーをした効果???)やや安心!
しかし相変わらずの急斜面、足元は滑り易く時折岩に躓いたり、草木を払いのけながらの登りが続くと、もうすぐに汗ビッショリとなって来るのです。

沢へ

「ゆっくり行こうよ、まだまだ先は長いんだから・・・」おっさんはそう声をかけながら息を整えるようにして登って行きました。狭くて急な沢ですから天気が悪い時などには暗くて気分的にも滅入りそうですね。約40分ほどの辛い登りで尾根へ上がりちょっと一休み! 
汗を拭い高度を確認しミネラル飲料を飲み、さあ出発です。始めは小さくそして大きくジグを切りながら登って行くとやがて上から先行されている人の声が聞こえて来ました。なにかホッとする瞬間ですね。

急登

そして遂に二人は樹林帯を抜け(標高約660m)、先行していた6人組みの方々を交わしてまぶしい日差しを一杯にうけた草付きの急斜面を登り始めるわけでぇ〜〜〜9時10分! 

覆い被さる草を払いのけながら、滑り落ちそうになる足元を堪えながら、時には草をつかみ、時には所々に固定されているロープを頼りにぐんぐんと高度を上げて行くと体感温度も一気に上がってぇ〜〜〜「くっそぅ〜〜〜来たなぁ〜〜〜」おっさんは歯を食いしばりながらも、しかしあまりペースをあげずに登って行くわけであり、、、

まぶしい
樹林帯を抜け陽光まぶしい草付きの急斜面に出る

ふと振り向くと、そこにはいつもの深い山並みが広がっていて、立ち止まりカメラを取りだしシャッターを押し、汗を拭いながらまた俯いて登り続け、、、とりあえずの810m標高点を目指すのでした。それにしてもやはり急ですし滑りますし、足元が水平になりませんし〜〜〜辛いのですよぅ・・・

おおおっ!!!

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