2000年7月14日19時、おっさんとおばさんは望岳台駐車場にいました。 十勝連峰の上にはお月さまが輝いています。「これは明日はいいぞーおーーー」おっさんはそう確信し、缶ビールを片手にしばし見とれていたのでした。 と、と、と夜半過ぎ、何かすごい音が聞こえます。「ビューーー!!」「風か?幻か?」いやいや幻でもなんともありません。なんとものすごい風が吹き荒れていたのです。「なんてこった」そうつぶやきながらも、又寝てしまったおっさんでした。
翌朝、やはりまだ強風が吹いています。午前5時05分少し弱まった風を気にしながらも、おっさんとおばさんは望岳台を出発しました。
今日の予定は美瑛岳へ登り、それから十勝岳まで縦走するものでした。 美瑛岳山頂は見えています。「ちょっと風は強いけど、展望は良いかもね・・・・」と小さな声でつぶやいたおっさんでした。 十勝岳避難小屋への分岐を美瑛岳方面へ(5時50分)、硫黄沢を渡って、雲の平をトラバースしながら進みます。
マルバシモツケ
その斜面にイソツツジやマルバシモツケが白く輝き、 あれ、あれ、あのピンクは?そこには楽しみにしていたエゾコザクラが数輪、でもこれはほんの序曲にすぎず、 さらに進むと、なんとあたり一面がピンクに染まりました。エゾコザクラの群落です。そしてエゾノツガザクラやチングルマが…・ おっさんとおばさんは思わずうっとり、リュックを放り投げ、この光景を楽しんだのでした。雲の平には数カ所この群落が出現し、楽しい楽しいトラバースとなったのです。
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