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2019年5月19日(日)早朝、長万部周辺の海岸線はガスに覆われていた。「晴れるのかしら?」「天気予報を信じようよ」そんな言葉を交わしながら写万部山の登山口に向かって行く。前日は雲海を眼下に好天の海向山に登っていた。今回もそんな場面を期待しながら・・・

午前8時、広い登山口に到着した。3台の車がとまっていた。「もう登っている人がいるのかな?」「山菜採りの人かもしれないよ」そんな予想通り~ほどなく大きなザックを担いで3名の男性が下りて来た。話しを聞くとタケノコ採りとのこと、気さくに話しが弾む。「それでは行って来ます」「気をつけてね」午前8時30分、私達は登山道に入って行く。

上空にはガスが広がっていているが、何となく日射しも感じる明るさだ。広い道を約300ほど進み~トドマツ林を抜ける頃分岐を右へ、そのすぐ先が1合目だ。標識があって「登り1480m 下り320m 標高150m」と書かれていた。この先も山頂までこの標識が続く。なだらかな登山道も2合目から3合目と段々傾斜を増して来る。

登山道脇に咲く花々だが、ツボスミレとオオタチツボスミレの群落が見事でしかも美しい。あちこちで見られる花ではあるが、これは見る価値があると思う。ほぼ終わっていたフイリミヤマスミレだが、これも見事な群落を為していた。もう少し早い時期ならきっと素晴らしいことだろう。ニシキゴロモはここも白花だった。

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トドマツ林を抜けて分岐を右へ(1合目)

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3合目から4合目へ向かって

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ツボスミレ

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オオタチツボスミレ

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フイリミヤマスミレ

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ニシキゴロモ

4合目を過ぎると一旦なだらかとなるが、すぐに斜度が増して来て5合目を過ぎると稜線へ向かって急な登りが始まる。この頃になると周辺はどんどん明るくなって来て~青空が広がり始めた。「これはいいぞ~、また雲海と展望だな」そんな期待を抱きながらジグザグと急斜面を登って行く。見上げる山頂部も青空の下に見えて来た。

今回の山行で出会った山野草に目を向けてみると~咲き始めたばかりのチゴユリであり、ツクバネソウであり、そしてハクサンチドリやチシマフウロも見られた。

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5合目を通過

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稜線に向かって急斜面を登る

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青空が広がってきて

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チゴユリ

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ツクバネソウ

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ハクサンチドリ

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チシマフウロ

急斜面を登りきると6合目、標識を見ると山頂までは500mとなっていた。さあ、いよいよ山頂へ向かって遮るものの無い稜線歩きが始まる。眼下には雲海が広がっていたが、西側を見ると~手前の新緑の奥にまだ残雪を抱いた山々が連なる。長万部岳や大平山方面である。緑と青空と残雪の白、美しいコントラストでその展望が広がった。「こっちからが凄いよっ」おばさんが手招きする、「お~~、素晴らしい」立ち止まりファインダーの奥にその光景を見る。遠く雲海の奥に微かに見えているのは遊楽部岳だろうか。

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遮るものの無い稜線歩き

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長万部岳と右端に大平山 その手前に黒松内岳が見えるのだが・・・

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雲海の奥に霞んで見えるのは遊楽部岳だろうか

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