title

えりも町の友人kusaさんから連絡があった。「調査登山があるんだけど来る?」。その山は日高山脈の最南端に位置する山のひとつ「ルチシ山」だった。何度か一緒に登っていて~私達もお気に入りの山であった。「宜しくお願いします」そう答えたのは言うまでもない。

この山について少し触れておくと、標高754m、登山口となる林道ゲート前からの標高差は約600m弱である。一般的な登山道は無い山なので、地図を見ながら獣道を辿り、急斜面を登って行く山行となる。もちろん標識や案内板などは一切ない。

今回のメンバーはえりも町の方々が5名、そして私達の合計7名だ。2019年6月7日午前8時、私達は林道ゲート前をスタートした。早速目に飛び込んで来たはクリンソウの群落だった。遠くから見てもその付近から鮮やかな赤い色が浮かび上がって見えた。「凄いね~」早々を花撮影が始まる。さらに~まだ咲き残っていたコケイランやミヤマハナシノブも彩りを添える。

1
林道ゲート前がスタート地点

2
林道歩きから始まる

3
クリンソウの群落
4

5
コケイラン

6
ミヤマハナシノブ

林道を約500mほど進んで~大きくカーブして作業道跡に入って行く。何度も大きくジグを切りながら徐々に高度を上げて行くことになる。「あっ、シマリスだよ~ほらあそこに!」、私は慌てて持参していた高倍率のコンデジと取り出した。「まだほらっ、あそこにいるよ」、シマリスはどうやら草を採餌中だったようで、私達の存在に気づき?ながらも一生懸命食べている。なんとかファインダーでとらえてシャッターを押した。

そんな出会いも楽しみながら~やがて350m広場に到着した。ゲート前から50分ほどであった。周辺は濃いガスに覆われていた。「晴れるかしら~」「段々天気が良くなると思うけど」「強い陽射しも辛いなあ~」。水分補給、軽食を頬張りながらこれからの登りに備える。

7
作業道脇でシマリスが
8

9
ガスが漂う350m広場

「行きましょうか」、この広場からがいよいよ登山が始まる?ことになる。GPSで現在地を確認、念のためコンパスで方向を合わせて~さあ出発だ。周辺を漂うガス、ミヤコザサの緑、白いダケカンバの幹、紅色のヤマツツジ~とにかく美しい光景が広がった。心配だったミヤコザサも思っていたよりも薄く、しかも獣道も尾根に沿って続いていた。「これなら快適だよね」「ひょっとして山頂まで続いているかもしれないよ」

「あっ、あれはオキシマップだよね」、高度が上がるにつれてガスは薄くなり、すぐ?隣りにある山が見えて来た。「雲海だ~~~」眼下に広がり始めた光景に歓声があがる。

10
ガスに包まれながら

11
白いダケカンバが美しい

12
ヤマツツジ

13
オキシマップ山

14
雲海が広がり

快適だった登りも~標高500m付近からは獣道も見えなくなり、ミヤコザサの背も少し高くなって来て~しかも斜度がぐんぐんと増して来た。たまらずジグを切りながら登ろうとするのだが・・・笹の根元に足をとられて結構滑り気味となる。「う~~ん、やっぱり直登か」。一歩一歩耐えながらの登りが続いた。こんな登りが標高700m付近まで続くのだ。カシミール(地図ソフト)で調べてみると30度ほどの斜度だ。

「どこかで休憩しよう」ちょっと空いたスペースでザックを下して足を休める。急斜面故に足を水平に置けない辛さがあった。「やっぱりしんどいね」汗を拭いながら水分補給だ。

15
急登が続く
16

17
急斜面の途中でひと休み

登山ものがたりへ 次のページ HOME