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頂上が近づくにつれて一段と風が強くなってきた。「折角の青空なのに~」と愚痴を言いたくなるのを堪えて登って行く。先行しているおばさんが立ち止まりカメラを向けていた。「咲いてるな!」そう確信して足早に進む。「おぅ~~~綺麗だぁ」期待通りミヤマアズマギクが見事な輝きで咲き揃い私達を迎えてくれたのである。

岩場をよじ登り強風吹き荒れる白樺山の頂上に立った、8時15分。標識には923mと刻まれているが実際の標高は約950mほどである。吹く風に堪えながら展望をカメラにおさめた。

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強風に耐えながら頂上へ向かって

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ミヤマアズマギク

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もうすぐ頂上

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登山道脇に咲いていたエゾカンゾウを一輪だけ見つけた。まだほとんどが蕾状態であった。シラネアオイはほぼ終盤、小さなツマトリソウを見つけてカメラを向ける。アカモノはちょうど咲き始めたばかり。まだ蕾を沢山つけていたので、エゾカンゾウ共々これから楽しめる花になるだろう。

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エゾカンゾウ

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シラネアオイ

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ツマトリソウ

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アカモノ

白樺山の頂上からは目国内岳、そしてなだらかな稜線の端に岩内岳、眼下にブルーの日本海と岩内市街、その奥には積丹半島のシルエットが見えていた。視線を変えてシャクナゲ岳への縦走路と奥にワイスホルンのシルエットが美しい。

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目国内岳

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岩内岳

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眼下に岩内市街とブルーの日本海

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縦走路の奥にワイスホルン

今回のレポートの最後に、いつも通りあまり参考にはならないコースタイムを記載してあるが、頂上には約35分滞在したことになっている。しかし強風吹き荒れる頂上ではとても休憩出来る状態ではなかった。その滞在時間は頂上からの展望撮影や、これから述べる花の撮影に費やされていたことになる。

強風に耐えながら懸命にカメラを構える。ミヤマアズマギクは背が低いので何とか撮れるのだが、ミヤマオダマキの撮影は困難を極めた。強風で花が前後左右に激しく揺れ続けるのだ。もう静止状態の花を撮るのは無理とばかりに、シャッタースピードを上げて連写である。撮れていればラッキーと言った感じでシャッターを押す。ちぎれんばかりに揺れるミヤマオダマキ、自然の中に懸命に生き続けようとする姿を見る様な気がした。

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ミヤマアズマギク

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(おばさん撮影)

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ミヤマオダマキ(おばさん撮影)

頂上周辺の花々の撮影を終えて下山を開始した。次から次と登って来る方々とすれ違う。「どうでしたか、花は咲いていましたか?」「えぇ~とても綺麗でしたよ。ただ風が凄いです、ミヤマオダマキは揺れて揺れて」「そうですか、この風ですもんね」「どうぞお気をつけて」そんな言葉を交わしながら花々の咲く稜線を下って行く。

樹林帯に入るとピタっと風が止んだ。「凄かったね」「やっと静かになったね」と言いながら小休止。「下りたら前目国内岳まで登ってみる?」「そうだね、あっちの花も気になるし」 すぐに予定変更である。周辺にはまたサイレンが響き渡り始めた。9時50分、白樺山登山口に到着である。

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