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やがて前方が開けて来て沢の源頭が近いことを知る。「いよいよだぞっ」私達はここから展開される紅葉模様に一番期待していた。果たしてどうなのか、まだ間に合ったのか・・・7時45分、第一雪渓に到着だ。「雪渓」と言ってもこの時期になるともちろん雪は残っていない。それ故に遅くまで咲く花々を楽しめるところでもある。まだ綺麗に咲いていたマルバシモツケ、そして苦手な(種別の特定が難しい)アザミにもカメラを向ける。

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樹林帯を抜けると目の前に第一雪渓が

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沢源頭部を見ながら

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沢の右股方面を見る

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チシマヒョウタンボクの果実

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紅葉したハイオトギリ

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苦手なアザミは?

マルバシモツケ

唖然として立ち尽くす・・・とにかく綺麗だった・・・沢を埋め尽くすように見事な紅葉模様が展開されたのだ。更に高度を上げて眼下に沢を俯瞰する。それはもう錦秋の彩りと言っても過言ではないほどの美しさで目に飛び込んで来た。対岸の黄葉がダケカンバの白い木肌を浮きだたせる。遠く支湧別岳連山のシルエット、その手前に大きく広がる紅葉模様が私達を迎えてくれた。「綺麗だわぁ」「素晴らしいね~」私達は歓声をあげながら・・・何度も何度も振り返った。

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左股の沢に沿って急な斜面を登って行く
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眼下の沢を埋め尽くす錦秋の彩り
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ダケカンバの白い木肌が美しい

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紅葉の奥に遠く支湧別岳連山を見て
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第二雪渓を過ぎると稜線はもう近い。距離にしても約600mほどである。「もうすぐだよね」と思うのだが・・・これが結構長く感じるところでもある。ちょっと風が出て来て上空には薄い雲も広がってきた。「早目に行った方がいいかも」、このあたりまで来るとさすがに紅葉はほぼ終盤~一気に広い稜線まで登りきる。正面に分岐標識が見えて来た。「見えてるかな」この分岐点は表大雪の展望台とも言えるところだ。出来るならその展望もしっかりと目にしたい。そんな思いが足取りを速めた。

8時50分、1737m標高点の平山稜線分岐に立った。目の前に表大雪の大きな山塊が目に飛び込んで来た。視線を変えて比麻奈山、比麻良山更に奥に有明山、天狗岳を見る。分岐から稜線を北へ100mほど進んで小槍~大槍~ニセイカウシュッペ山、手前にアンギラスと展開する山々にカメラを向けた。稜線上には南風が吹いていて薄い雲が広がり始め、振り返ると武利岳方面からどんどん雲が流れ込んできていた。クッキリと見えていた表大雪の山々も手前に雲に流れ始めてきた。「ふぅ~間に合ったぞ」、ほっとしながらすぐに下山を開始した。

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正面奥の稜線分岐(1737m標高点)に向かう

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目の前には表大雪の山々が広がった

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比麻奈山、比麻良山と右後方に有明山、天狗岳を見る

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小槍~大槍~ニセイカウシュッペ山、右手前にアンギラスが
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武利岳方面から南の風に乗って勢いよく雲が流れ込む

眼下に再び紅葉模様が展開される高度まで下りて来ると、風も弱まってきて・・・次々と登って来る方々とすれ違う。「あっ」「あらっ、またお会いしましたね」今年の5月に伊達紋別岳の頂上で出会ったmさんとの再会だった。山域で一年間に二度目の出会いがあるのも珍しい。

再び紅葉に包まれながら下って行く。もう一度下りのアングルでそれを見る。「ここは綺麗ですよね」後続の下山者がすれ違いざまに言う。「えぇ、最高ですね」何度かそんな言葉を交わすシーンを繰り返しながら登山口に下り立った。「お疲れ~~~」、装備を解いて長い札幌までの帰路に着いた。

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コースタイムは省略します。

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