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7合目に出ると一段と強い陽射しが降り注ぐ。「わぁ~」そう叫ばなければいけないような感覚にとらわれながら汗をぬぐう。まだ時間が早いせいか貸切のベンチに腰を下して水分補給をする。目の前に広がる山頂へと続く稜線が美しい。やっと下りて来た単独の男性と入れ替わるようにして、私達は立ち上がった。

ここからは山頂に向かってほとんど遮るものの無い稜線歩きである。まずは細い稜線の大きな起伏を越えて行く。この周辺は風の強い日などは注意を要するところだろう。一旦ど~んと下り、次に短いながらの急登だ。フィックスロープも一部張られているがそれに頼らなくても登れそうである。
この大きな起伏を乗り越えるとなだらかで広い稜線歩きが山頂まで続くことになる。この日のように天気の良い時には広がる展望を満喫しながらの心地良い山行になるのだ。みはらし平から振り返ると登って来た稜線が望まれ、眼下には内浦湾と伊達市街が広がり、目を転じると大きな存在感で稀府岳が聳え立つ。

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7合目から山頂方面を見る

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大きな起伏を乗り越えて

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大きく広がる稜線を進んで行く
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みはらし平

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稀府岳と左奥に室蘭岳

前紋別岳付近からは遠望が素晴らしいところなのだが、この日はほとんど霞んでいた。しかし登山道脇に咲くシラネアオイがそんな状況を忘れさせてくれるほどの美しさを醸し出していた。やがて登山道はやや向きを変えて山頂に向かって一旦少し下って行く。ほどなく9合目の標識を見るのころに、「こんにちは、どうぞ~」と追いついてきた単独の若い女性に道を譲る。「ありがとうございます」微笑みながら女性は先に進んで行った。

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稜線の登山道脇に咲くシラネアオイ

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前紋別岳を過ぎても遠望はほとんど霞んでいた

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山頂方面に向かって一旦少し下り

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9合目

伊達紋別岳で見られた花々 その2

咲いていたスミレがもう一種類あった、それはアカネスミレである。ミヤマスミレなどと同じく地上茎の無いスミレで、やや三角状で卵型の葉と側花弁基部の白い毛に特徴がある。もう終わっていると思っていたが、群落をなして咲いているものもあった。

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アカネスミレ
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キジムシロ

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ミヤマエンレイソウ

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コキンバイ

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コウライテンナンショウ

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フデリンドウ

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