title

急な岩場を慎重に登って行く。紅葉し始めたオヤマソバ、アポイヤマブキショウマを見て秋の深まりを一段と感じる。上部のヒダカミセバヤはほぼ終盤だったがひっそりとまだ咲いていた株もあった。

眼下に広がる様似町の海岸線を背景にタカネノガリヤスの穂が揺れる様は「花の名山」のシーズン終了を感じさせる。いつもの私的ビューポイントで吉田岳〜ピンネシリへと続く鋭い稜線にカメラを向けた。もちろん南日高の楽古岳等は雲に隠れて見えない。

頂上は混み合うかもと思っていたが、私達が到着するのと入れ替わるように、多くの人たちが下山し始めた。それだけ私達がゆっくりペースと言うことになるのだろう。ザックをおろしてゆっくりと昼食タイム。上空を雲が覆い始めて風が少し強くなって来た。「寒いくらいだね」一気に体感気温が下がって来る。「そろそろ下りましょうか」

1
急な岩場を登る

2
紅葉し始めたオヤマソバ

3
アポイヤマブキショウマ

4
ヒダカミセバヤ

5
タカネノガリヤス(イネ科)

6
吉田岳への鋭い稜線

7

急な岩尾根をゆっくりゆっくりと下って行く。「こんにちは」「どうぞ」まだまだ登ってくる人たちの列は続いていた。馬ノ背から下る頃には再び青空が広がり、日差しが降り注ぎ始めた。時折吹く風が心地よい。5合目から樹林帯へと入って行く。ピタリと風が止んで木漏れ日を受けながら静かな登山道を進む。「暑いわっ」高度が下がるに連れて気温も上がって来ているようだ。「暑いぞ〜」そう叫びながら冷たいスポーツドリンクを飲み干す。

8
眼下に美しい海岸線を見ながら下山

今回はアポイ岳を下山後にその山麓周辺を少し歩いてみた。エゾトリカブトが見事な株で咲いていた。色合いの淡いタイプもあちこちで見受けられた。エゾノホソバトリカブトの変種であるヒダカトリカブト。葉がとても華奢な印象を受ける。その白花品も見ることが出来た。トリカブトに詳しいyamazさんに識別もしていただきながらの観察となった。ヒダカミセバヤは海岸線や山麓周辺にも咲いていた。葉がとても可愛らしいものもあった。

「これは何の実かしら」今迄見たことの無い木の果実に目を凝らした。帰宅後に調べてみるとキタコブシの果実と判明した。集合果となっていて割って見ると中にオレンジ色の実が入っていた。

「それでは また機会がありましたら」yamazさんたちに別れを告げて私達は札幌への長い帰路についた。

9
エゾトリカブト
10
淡い色のエゾトリカブト

11
ヒダカトリカブト
12

13
ヒダカトリカブトの白花品
14

15
岩場に咲くヒダカミセバヤ
16

17
キタコブシの果実
18

コースタイムは省略します

登山ものがたりへ HOME