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さすがにこの地点まで来ると雪面は固くなって来た。それでも朝から日射しを受けているせいか稜線上はキックは十分可能であり、アイゼンは不要であった。これで前日のように強風で気温が下がっていたならアイスバーンになっていたかもしれない。この時期の比較的標高の高い山では、天気が良くても冬山装備が必須である。

1088mピークから豊似岳までは距離にして約800m、標高差も26mでなだらかな広い稜線を行くことになる。右に白い日高山脈を見ながらの歩みはとても心地良い。山頂直下ではハイマツが見え始めていた。そのまま真っ直ぐにハイマツの中を進むか、回り込んで雪面を登るか、二手に分かれるようにして進んで行く。

11時40分、豊似岳山頂に立った。登り始めてから3時間40分だった。アポイ岳やピンネシリの手前に続く鋭い稜線の山々、オキシマップ山へ続く稜線、そして振り返れば1088mピークからの稜線が大地に落ち込み、えりも岬へと続く。もちろん連なる白い日高山脈もしっかりと目に飛び込んで来た。
程なくして後続のkusaさん達も登って来た。「やったね~」「凄いわよね」「今までで一番じゃない」ちょっと興奮気味に言葉を交わす。この展望もさることながら、なにより気象条件にも恵まれて最高の山行になった喜びがあった。

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豊似岳に向かって広い稜線を行く

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山頂直下にはハイマツが見え始めていた。

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連なる日高山脈が浮かび上がる
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奥にアポイ岳とピンネシリ、その手前に鋭い稜線の山々
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オキシマップ山へと続く稜線

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眼下にえりも岬が見える
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12時20分、山頂からの展望をしっかりと脳裏に焼き付けて下山を開始した。左に観音岳への稜線を見て~1088mピークへと向かう光景に広がる青空がとても美しい。雪庇の上を慎重に歩きながら稜線分岐へと向かって行く。

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下山開始

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観音岳へと続く稜線

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美しい青空の下を、優しい表情の1088mピークへ向かう。

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稜線分岐からは眼下に百人浜とえりも岬を見て~雪面にキックを入れながら一気に下って行く。なんと広い、なんとおだやかな光景なのだろうか。14時45分、登山口に到着。「お疲れさまでした~」「最高でしたね」「良かったよねぇ」「来年も登りましょう」そんな会話に「ありがとうございました、また宜しくお願いします」とお礼を言って、私達は札幌への帰路についたのである。

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稜線分岐

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広大な光景を見ながら下る

コースタイム(含休憩時間)  歩行距離(往復) 9.8km GPSトラックデータより
登山口 08:00  稜線分岐 10:10-10:30  1088mピーク 11:05-11:15  豊似岳 11:40-12:20  稜線分岐 13:30  登山口 14:45

登山口までは閉鎖された肉牛牧場跡を進みますが、入口にゲートがあり施錠されています。車で入る場合には事前にえりも町役場で鍵借用許可が必要です。

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