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4月から始まった私達の夏山シーズン、今年はほぼ毎週(順調に?)何処かの山に登っている。もちろん天候に恵まれていることもあるが、あまり無理せずに自分達のペースにあった山に向かっているからかもしれない。

今回登るのは伊達市大滝区に登山口がある徳舜瞥山である。前週に登った尻別岳からも見えていた山だ。私達がこの山を選んだ理由は、やはり「花の山」としての認識からだろう。春から夏、夏から秋へと変わり行く花々、そして樹林帯から岩場の頂上へと進む林床の変化も楽しめる。

2016年6月5日、大滝区から登山口へ向かう細い舗装道路に入った。「見えてるわよ」おばさんが叫ぶ。朝方まで上空を覆っていたであろう雲が切れて、青空が広がり始めていた。午前8時ちょうど、登山口手前の舗装された駐車場に到着。「えっ、もうこんなに?」駐車場には既に沢山の車がとまっていた。なんとか空いているスペースを見つけて~早速装備を整えて少し先の登山口へ向かう。
入山ポストのある登山口は既に5合目である。頂上まで標高差約600mほどの道のりだ。強い陽射しを避けるように涸れ沢を渡って樹林帯へ入って行く。

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登山口へ向かう途中の道路から見る徳舜瞥山

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登山口は既に5合目

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涸れ沢を渡って

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しっとりとした樹林帯を

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【徳舜瞥山に咲く花 その1】

この日は他の花々もそうだったが、登り始めの時には朝露(雨?)がついていたので、樹林帯で見られた花々の多くは下山時に再度撮影したものである。ナンブソウはサンカヨウと同じメギ科の花である。特徴ある大きな葉と穂状の花のバランスが何とも言えず可愛い。ツルシキミは登山道のあちこちで見られた。まるで花飾りのような個体もあった。
同じキンポウゲ科のヒメイチゲとエゾイチゲ、エゾイチゲの方が花も葉も大型である。時々どっちだろうと迷うものを見ることもある。

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ナンブソウ
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ツルシキミ
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まるで飾りのようなツルシキミ

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エゾイチゲ

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ヒメイチゲ

やがて小さな沢を渡ると6合目、木製のベンチが置かれていて水場にもなっている。この沢ではネコノメソウがちょうど咲き始めていたが、その種類の判別はわからない。

アカエゾマツに寄り添うように苔むした登山道は、しっとりとした日本庭園を思わせる雰囲気もある。時折、木漏れ日を受けて霧が漂い幽玄の森的なムードを引き立てる。登って来る人達のクマよけ鈴の音が聞こえて来た。「どうぞ~」先を譲って~あくまでもゆったりペースの私達、その視線の先は足元に咲く花々にあった。段々登りはきつくなって来るのだが、その辛さを補うに十分な雰囲気を堪能しながら歩を進める。

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沢を渡って

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このネコノメソウは?
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6合目のベンチ

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アカエゾマツの森を登って行く

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時折神秘的な霧が漂う登山道

【徳舜瞥山に咲く花 その2】

コヨウラクツツジが多く見られたが、花はほぼ終盤を迎えていた。前述のメギ科の花「サンカヨウ」はまだほとんど蕾状態、「もう少しで咲くのに」と悔やんでいたのだが、下山時には「咲いたよ!」と大喜びのおばさんの声。白っぽい花が多い中で、ムラサキヤシオの鮮やかな色が登山道脇に輝く。

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コヨウラクツツジ

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サンカヨウ

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ムラサキヤシオ

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