title

頂上の大きな岩塊に向かってジグを切るように登山道が刻まれている。前方に登って行く人影が見えていた。「もうひと登りだな」ちょっと俯き加減にゆっくりと歩を進める。立ち止まり息を整えながら~汗を拭ってふと見上げると・・・前方に見えていた人影がしゃがみ込んだ。なかなか動かない~「花の写真を撮ってるのかな?」、、、見覚えのある人影が近づいてきた。「あらぁ~mさん」おばさんも気づいて声をかけた。通称:Oychanと呼ばせていただくが、その先には奥様が歩かれていた。「おやぁ~しばらく~」デジイチを首からぶら下げて花の写真を撮っていたOychanがニコニコしながら立ち上がった。

「あっ、この小さなスミレ」、Oychanの声に「ウスバスミレだわっ」おばさんが答える。ここから先はそんな花散策モードでの山行が続く。登山道脇に見事に咲いているシラネアオイに歓声をあげた。そんな私達の様子をシラネアオイを焦点にしてカメラにおさめてくれたOychanはさすがと言うほかは無い。

やがて岩塊の直下に到着、おばさんはここで待っていると言う。何度も登っているし無理する必要も無いだろう。私は先週の定山渓天狗岳では頂上を極めていなかったので、Oychanご夫妻の後を追った。

1
頂上の岩塊を見ながら

2
登山道脇に咲くシラネアオイが見事だった

3
シラネアオイ(シラネアオイ科)


シラネアオイの奥に私達が・・・(写真提供:Oychan)

4
9合目の手前にて

5
目の前に大きな岩塊が迫る

【目国内岳に咲く花 その4】

登山口周辺や上部の笹薮の下でも良く見かけたコミヤマカタバミ~他の地で見かけるものよりも花がとても大きく感じた。いつもは登り始めではまだ花が開いていないことが多いのだが、今回はスタート時間も遅かったせいか登りでも下りでもその可愛い花姿を堪能できた。やや終盤ではあったがピンクのショウジョウバカマ、Oychanが見つけてくれたウスバスミレ。

地味な?ところでは、シラオイハコベとヒメタケシマラン。シラオイハコベはとても花が小さくて目立たないし、ヒメタケシマランも葉をひっくり返して見なければ確認出来ない。この二つは下山する時にゆっくりと撮影した。

6
コミヤマカタバミ(カタバミ科)
7

8
ショウジョウバカマ(ユリ科)

9
ウスバスミレ(スミレ科)

10
シラオイハコベ(ナデシコ科)

11
ヒメタケシマラン(ユリ科)
12

大きな岩の間をすり抜け~両手を使ってよじ登って行く。縦走路への分岐を右に分けて更にもうひと登り~高度感たっぷりの狭い頂上に立った、11時35分。山頂は最高点の1220m、三角点は山頂の北西側に位置して1202.6mである。
頂上からの遠望は雷電山や岩内岳方面は良く見えていたが、ニセコアンヌプリやチセヌプリ方面の山々は霞んでいて、更に奥に並んで見える筈の羊蹄山は確認出来なかった。そんな光景をカメラにおさめて~「どうも落ち着かないよね」私と同様?で高所恐怖症気味のOychanとそう言いながらすぐに頂上を後にした。

13
頂上へは岩を潜り抜けながらよじ登って行く。 縦走路への分岐付近にて
 (手前にOychan、その先にちょっとだけ奥様の姿も)


14
山頂は(最高点1220m)、三角点(1202.6m)は山頂の北西に位置する

15
左端に雷電山、右端に岩内岳(パノラマ画像)

16
シャクナゲ岳やチセヌプリ、イワオヌプリ、ニセコアンヌプリが霞んで見えていた

縦走路の分岐に下りた時に、「あらっ、、、」「あららっ、、、」見覚えのあるご夫妻が目の前にいた。「こんなところで会うなんて」こちらも久しぶりに会ったsさんご夫妻だった。頂上に登ってから三角点を探しに行って来たようだ。おばさんが待つ地点まで下りて久々の再会となった。sさhんご夫妻とは美瑛富士避難小屋キャンプ指定地テント泊でのオプタテシケ山や、知床連山の縦走等でご一緒していた。「何年ぶりだろうね」懐かしい思い出話しや近況のやり取りをして別れた。

前方に霞むニセコ連山を見ながら下って行く。眼下の登山道に二人組の姿が見えていた。やはり登山道脇で花の写真を撮っているようだ。近づくとそれはJAJAさん姉妹だった。おばさんが言葉を交わしている時にしゃがみ込んで撮影していた私は、結局「こんにちは~」と挨拶を交わしただけですれ違うことになった。

ベニバナイチゴ、大きな紅い花をつける低木である。図鑑では、北海道では南西部に分布となっている。特徴ある葉を覚えると案外見つけやすい。花弁は大きく開かず、しかもやや俯き加減に咲くので撮影はなかなか大変だ。今回の山行では見ておきたい花のひとつであった。

花々の撮り直しをしながら前目国内岳で大休止。Oychanご夫妻もやって来て下山途中で見た花談義。のんびりゆっくりの花散策モードで午後2時40分登山口へ。さすがにこの時間になると駐車場は静けさを取り戻していた。「それじゃあ、また」「また一緒に登りましょう~低山でね」Oychanご夫妻に別れを告げた。

17

18
ベニバナイチゴ(バラ科の落葉低木)
19

20

コースタイム(含休憩時間)は参考になりませんので省略します。

登山ものがたりへ HOME