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2016年9月20日早朝、黒岳のロープウェイ駅駐車場に到着。「空いてるね」連休後の平日のせいもあるかまだ車の数はまだ少ない。早速装備を整えて始発(6時)のロープウェイに乗り込んだ。一気に高度が上がって雲の上に出た。「わ~~~っ」歓声があがる。眼下に雲海が広がったのだ。私はカメラを窓ガラスに押し付けるようにしてシャッターを押したが・・・残念ながら微かにロープの影が写り込んでいた。アナウンスに導かれるようにして右手前方を見る。左から台形の桂月岳、凌雲岳、川上岳へと続く稜線が美しい。

ロープウェイからリフトへと乗り継ぐ。わずかに色づき始めたダケカンバの上に下弦の月が見えていた。リフト終点駅展望台からの光景、何度も見ているのだが、この日の美しさは際立っていた。

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眼下に雲海を見る(ロープウェイから撮影)

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桂月岳、凌雲岳、川上岳等が連なる(ロープウェイから撮影)

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色づき始めたダケカンバの上に下弦の月を見て

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北大雪方面を見る(リフト終点駅展望台にて)

6時40分、入山届けを提出して登山道に入る。風は弱く、上空からは朝の陽射しが注いでいた。「わっ、霜柱だ」、ロープウェイに乗る時点での5合目の気温は6度と掲示されていた。7合目から始まる登山道の所々には霜柱が立っていたのである。大雪山のこれからの季節は、天気が良くても万全の装備でのぞみたいものだ。登るにつれて眼下に広がる雲海を俯瞰するようになると、じっとりと汗ばんで来る。アウターを1枚ぬぐなどこまめな体温調節を繰り返す山行となった。

突然おばさんが立ち止まった。「あっ、シマちゃんだ」と言いながらシャッターを押す。花後のミヤマサワアザミの頭花を啄んでいたようだ。私達の姿に気づいてすぐに藪の中へと走り去った。

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眼下に広がる雲海

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シマリスがミヤマサワアザミを~(おばさん撮影)

段々周辺の色合いが濃くなってくるのを感じながら、ゆっくりと登って行く。やがて前方にお目当てのマネキ岩が見えてきた。さて、今年はどんな輝きを見せてくれるのだろう~と毎年ちょっとドキドキしながら進んで行く場面である。ナナカマドの色がやや茶褐色ではあるものの、岩を包み込むように広がる紅葉には思わず立ち止まって見入ってしまう。もちろん撮影ポイントでもあるわけだ。

そんな深みのある光景を見ながら、登山道脇の草紅葉にも目を奪われる。秋色に包まれながらゆっくりと登って行く。

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前方にマネキ岩を見て

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ハイオトギリの紅葉

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ハイオトギリとヤマハハコ

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ウラジロナナカマド

視界がぐんぐん広がってくると頂上は近い。8時ちょうど、黒岳頂上に飛び出した。淡い青空の下にいつもの大展望が広がる。展望をカメラにおさめて、ザックを下して休憩だ。軽食を頬張り水分補給をしながら目の前に広がる光景を「ぼんやり」と眺め続ける。次々と石室方面に下って行く人達と入れ替わるように登って来る人達が続く。

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もうすぐ頂上

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左に烏帽子岳、右端に北海岳、中央奥に白雲岳

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中央に凌雲岳(手前に桂月岳が重なる)、左奥に北鎮岳、右に愛別岳と川上岳を見る


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