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肩から頂上までは見た目ほど距離は無い。ひと登りと言ったところなのだが、さすがにここまで登って来たストレスからか足取りは重い。「えいやっ」と掛け声勇ましく一気に頂上に躍り出て~北海道最高峰に立つ人になった。9時10分、姿見の池から1時間40分だった。

頂上からの展望はもちろん期待通りだった。遠くに浮かぶ雲と裾合平方面から湧き上がるように流れる雲、安足間岳~北鎮岳と続く山々と残雪模様、そして手前に熊ケ岳を配してお鉢平を囲む山々と白雲岳、彼方には北大雪のシルエット。この山に初めて登ったのは1999年9月だった。私はファンインダーを覗きながらその時の新鮮な感動?を思い出していた。

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旭岳頂上へ
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安足間岳、比布岳、鋸岳、北鎮岳

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手前に熊ケ岳、奥には北鎮岳、凌雲岳、右に北海岳

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北海岳や赤岳方面、右に白雲岳
画像クリックで幅1024ピクセルのパノラマ画像表示

ひと通り撮影を終えて、賑わっている頂上から裏旭キャンプ指定地方向に少しだけ下った。一面に咲くキバナシャクナゲが見えたからである。トムラウシ山を始めとする周辺の山々を、そして十勝連峰を背景に咲くキバナシャクナゲが殊のほか美しかった。近くにはジムカデが大きな群落をつくって咲き始めていた。

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トムラウシ山方面を背景に咲くキバナシャクナゲ

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安足間岳、比布岳方面を背景に咲くキバナシャクナゲ

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十勝連峰を背景に咲くキバナシャクナゲ

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近くに咲いていたジムカデ

頂上へ戻ってやっとザックを下した。登山者で賑わうと言っても流れがあって~ぽっかりと人影が少なくなるひと時もあるものだ。そんな静かな瞬間に恵まれて、広大な光景を見ながらオニギリを頬張る。なんと贅沢なことか・・・ やっとまた登って来る人達の流れが続き始めた。入れ替わるようにして私は下山を開始した。

下山途中におばさんに連絡をとってみた~弾んだ声がかえってきた。「撮れたよ~ギンザンマシコ」、池の周りを歩いていると突然目の前に現れてビックリしたり、地面を掘って発芽した植物を食べているシマリスにも会えたとのこと。そんな報告が下の画像である。

下山は思いのほか快調だった。途中で座って遠くの山々を見て、眼下の雪渓模様の美しさに目を奪われながら~のんびりと下って行く。次から次へと登って来る人達が続いていた。姿見の池からは真っ直ぐにロープウェイ終点駅を目指した。そこでおばさんと待ち合わせである。もちろん遊歩道脇に咲く花々を愛でながら・・・チングルマが咲き、エゾノツガザクラが多様な色合いの変化を楽しませてくれる。

12時ちょうどロープウェイ終点駅におばさんの姿を見た。こうして私達は旭岳の山行を終えたが、大雪山巡りはまだまだ始まったばかりである。

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ハイマツにとまったギンザンマシコ♂ (おばさん撮影)

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目の前に現れたギンザンマシコのカップル (おばさん撮影)

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ノゴマ♂ (おばさん撮影)

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地面を掘って発芽した植物を食べていたシマリス (おばさん撮影)

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チングルマ
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エゾノツガザクラ
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色合いの濃いもの

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白花も

コースタイム(含休憩時間)

ロープウェイ終点駅 06:50  (池周辺散策)  姿見の池 07:30  7合目 08:15  9合目 08:55  頂上 09:10-09:40  姿見の池 10:50  (池周辺散策)  ロープウェイ終点駅 12:00

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