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2015年9月23日早朝、十勝岳山麓にある白銀荘キャンプ場前に到着。シルバーウィークの最終日とあって前夜からキャンプしていた人達が活動 を始めたところであった。
「ゆっくりスタートだね」そう言いながら装備を整える。今回私達が目指す三段山は、紅葉を楽しむ人達で賑わう表大雪山系とは違って比較的静かな山行を楽しめる山である。3年前に十勝岳の麓の望岳台から三段山方面の紅葉を見て~その美しさに驚いて夏山としては初めて登っ て見た。それは予想に違わぬ素晴らしさで私達を迎えてくれたのである。以来、昨年もそして今年もと3年連続の山行となった。

午前7時15分、キャンプ場前にある入山ポストに届けを済ませて~キャンプ場を横切り急な法面につけられた階段を登り、小さな三段山のサイ ンに導かれるように、笹刈された登山道を進んで行く。小さな沢形を越えていよいよ一段目の登りが始まる。登山道はジグをきりながら高度を上げて行く。傾斜が緩むと大きなアカエゾマツの樹林に囲まれる。冬には巨大なモンスターが見られるところでもある。


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白銀荘キャンプ場をスタート

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一段目の登り

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アカエゾマツの樹林に囲まれて

二段目の急な登りには階段が設けられている。ひとつクリアして更に二つ目の階段、急なうえにやや朽ちたところもあり~おまけに滑りやすい状況だったので、固定ロープを補助にしながら慎重に登った。いつしか周辺は高い丈のハイマツに囲まれて、しばらくは悶々とした登りが続くことになる。今回の行程は距離にして約3.3km、標高差は731mである。距離は短いがそれなりの登りに耐えながらの山行となる。

「もうすぐ出るぞ」私は期待に胸を膨らませながら先を進むおばさんに声をかけた。やがて前方に明るい陽射しを感じると~


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二段目の登りは急な梯子

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更に二つ目の梯子

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いつしかハイマツに囲まれて

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標高約1360m付近で視界が開けて

視界が一気に開 けて前十勝の大きな裾野が飛び込んで来た(標高約1360m、二段目の登りの階段から標高差約100m強の地点)。「わぁ~~~ほら、旭岳も見えてるよ」、3年前にはその裾野を彩る見事な紅葉の奥に旭岳を見て、昨年はその旭岳が冠雪していた。今年の前十勝の山裾は色づき始めの状態だった。

そんな光景をしっかりとカメラにおさめて、次のポイントである展望台へと向かって行く。左手に広がるフリコ沢の見事な紅葉、その奥には前十勝や十勝岳見て~心地良い登りが続く。この日の天気は快晴模様、やや風が強く十勝岳の噴煙が南へとなびいているのが見てとれた。
さらに登山道は南へ南へと進むので、前方の視界的にはほぼ逆光の状況が続く。特に早朝では先行するおばさんの様子をカメラにおさめるの がもどかしい。陽射しがカメラに入り込んでしまうのだ。

やがて急斜面をひと登りで展望台の大きな岩の上に立つ。この展望台と言う名称は私達が勝手に呼んでいるだけのものである。眼下に前十勝の大 きな山裾を俯瞰できるところでもある。ザックを下して小休止だ。このコースの登山道には休憩スペース的なものは無い。登山道脇に遠慮が ちに休憩するのだが、それほど多くの人達が行き交うこともないのであまり問題は無い。登り始めてからここまで約1時間半ほど経過していた が、まだ他の登山者との出会いは無かった。


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彼方に旭岳を見て
画像クリックで3年前(2013年10月5日)の「見事な紅葉と旭岳」を表示

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強風で噴煙がなびいていた

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展望台へ(標高約1480m付近

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画像クリックで3年前(2013年10月5日)の画像表示

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