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頂上では数名の方々が寛いでいたが、私達はそのままクレーターを囲む稜線上を歩き始めた。背後に大きくニセコアンヌプリ、その陰から羊蹄山がちょっとだけ顔を出す。「こっちの方が良く見えるよ~」おばさんの声に導かれて更に少し先でシャッターを押す。

「あの山は余市岳かしら」「うん、それから無意根山・・・あっ、定山渓天狗岳もチラっと見えてるぞっ」。札幌近郊の山々のシルエットが青空の下に広がっていた。「えっ、あれってシリパ岬じゃないか?」、肉眼で微かに確認出来る程度ではあったが、その特徴から余市町のシリパ岬と判断した。「そうなると右に見えるのは大黒山か~」私達は何度も立ち止まり山座同定を楽しみながら稜線を進んだ。

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クレータを囲む稜線を行く

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背後にニセコアンヌプリ、羊蹄山も少しだけ顔を出す

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遠く余市岳や無意根山、小さく定山渓天狗岳も確認出来た

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余市町のシリパ岬が見えていた(中央奥)、右に大黒山
(トリミング画像です)

クレーターを囲む稜線の北側には大きな山容のワイスホルンが広がる。その山麓のタカネナナカマドとダケカンバの紅葉が素晴らしいところでもある。視線を転じると眼下に大沼とその手前に硫黄鉱山跡~更に進んで小イワオヌプリの斜面の彩り~ニセコ山系では私達の大好きな紅葉スポットである。

しかし、さすがにこのところの荒れた天気の影響か~葉も枯れたり落ちていたりするものも多くて、全体的にはややくすんだ色合いであった。

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ワイスホルンを見て

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硫黄鉱山跡と大沼

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小イワオヌプリ、ニトヌプリ、チセヌプリ 奥に目国内岳と岩内岳

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小イワオヌプリの山裾を見る

イワオヌプリの稜線上は、平日とは言え次から次へと登山者が行き交う。「こんにちは~」簡単なあいさつを繰り返しながら、私達はイワオヌプリを下り、分岐から大沼方面へ、その先の分岐をニトヌプリ方面へと下る。

火山灰に覆われた急斜面をロープを補助にしながら下ると、一帯はエゾノマルバシモツケの紅葉に覆われ、更にイソツツジやタカネナナカマド、ダケカンバ等が小イワオヌプリの南斜面を駆け上がる。

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小イワオヌプリの南斜面

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エゾノマルバシモツケの黄葉

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「そろそろ戻ろうか~」結局、この日はニトヌプリとのコル付近で帰路に着いた。全体的に紅葉の輝きはややくすんでいたものの、それは自然のなせる業~、そのかわり今年一番?のおだやかな天気と遠望を満喫出来たことに感謝しながら、足元の花の果実にそっとカメラを向けた。ツバメオモト、シラタマノキ、マイヅルソウ・・・秋の彩りをシットリと感じて~。

五色温泉の散策路から、秋の陽射しをいっぱいに受けて輝くニセコアンヌプリを見上げた。

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ツバメオモトの果実

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シラタマノキの果実

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マイヅルソウの果実

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散策路からニセコアンヌプリを見る

コースタイムは省略します

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