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今シーズンは何故か気乗りしなくて冬山へは向かっていなかった。寒気と暖気が交互に訪れてキリリと締まった「厳冬期の冬」と言うイメージがなかなか湧いて来ない。まぁ流れにまかせて・・・と、日々近郊の森を歩いたり海岸線の野鳥散策を楽しんだりしていた。これもそれなりに歩くので体力維持には役立つと思っている。

「明日は天気が良さそうね」「うん、風も弱そうだし~足慣らしに山へ登ろうか」。やっとそんな気持ちの高鳴りを覚えて目指した山は、支笏湖を囲む山々のひとつ「幌平山」だ。この山には過去にイチャンコッペ山登山口から山スキーで登ったことがあったが、2012年に西尾根を辿って登ったアルミワカンのデビューの山でもあった。

2015年02月21日、国道453号のオコタン分岐のゲート前スペースに車をとめた。既に出発準備をしていた人がいて~「あれっ、ひょっとして」・・・そこには見覚えのある方の姿があった。何度か山でお会いしていたブログ「北の山旅礼賛」のshibataさんだった。これから恵庭岳に向かうとの事、お互いに良い山行となりますようにと言葉を交わして私達はスタート地点となるすぐ下の駐車場へ向かった。(最初はここへ車をとめようと思っていたが、道路際に除雪された雪が少し積もっていたのでゲート前に車をとめた)。

午前8時10分、久しぶりの冬山行が始まった。まずは地図上の681m標高点に向かって急斜面を登って行く。標高差約130mほどだが~ここが今回の山行で一番辛い登りとなる。期待していた?先行トレースは見当たらない。おばさんと交代で登り易いところを選びながら小さくジグを切って進んで行く。久しぶりの山行だったのでちょっと心配だったが、意外と息の上がることは無かった。

約30分ほどで急斜面を登りきると、平坦な広い尾根に出る。「クイーン、クイーン」近くから何度もクマゲラの鳴き声が聞こえるのだが、その姿は見えない。しかし何となくそんな深い森に入ったのだと言う感覚が嬉しい。やがて広い尾根が少しずつ狭まって来てコルへと導かれるように下って行く。

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681m標高点へ向かって急斜面を登る

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やっと登りきって

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平坦な広い尾根に出る

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コルへ下りて細いダケカンバの間を抜けて行く

今回の行程は距離約3km標高差は200mにも満たないが、山頂へと続く尾根をアップダウンを繰り返しながらの山行である。行程だけからみると簡単に歩けそうでもあるが、冬山行の常で雪質や気象状況、先行トレースの有無等によってそれは大きく変わる。
この日は天気に恵まれていた。見上げる青空、風は弱く、先行トレースは無いものの雪質は固すぎず~かと言ってそれほど深いラッセルでも無く~足回りのアルミワカンにとって最適な状況だと思えた。

コルから進むにしたがって顕著な尾根となり、そして木々の間から早くも支笏湖や恵庭岳がその姿を見せはじめ~そのたびに歓声をあげる。

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段々尾根は細くなり
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木々の間から見える恵庭岳に歓声をあげる

644m標高点を過ぎる頃から、尾根は風雪により波打ち雪庇の張り出しが目立つようになって来る。雪庇に近づきすぎては危険だし、かと言って木々の根元も踏み抜きだってありうる。

おばさんはそんな状況を回避しながら先行して行く。そのペースは快調だった。あまり休むことも無く、淡々としたペースでどんどん進んで行く。私も時々先頭を交代するのだが、写真を撮っている間に追い抜いて行ってしまう。「わぁ~凄いよ!」恵庭岳がスッキリとその山容を見せていた。「今頃shibataさんはどのあたりかな~」私達はその山行に羨望を抱きながら恵庭岳を見つめた。

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風雪で波打つ細い尾根を登って行く
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やっぱり恵庭岳が美しい

山頂手前の標高720mほどのポコが近づくにつれてなだらかな疎林の尾根となり、視界がぐんぐんと広がって来る。恵庭岳はもちろんだが、漁岳や小漁岳、さらには空沼岳へと続く山並み~視線を移すとイチャンコッペ山も見える。更に遠く札幌市街や藻岩山も確認出来た。これから眼下に広がる支笏湖も含めて~この広がる展望こそが今回の私達のメインだった。

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疎林の尾根となって来る

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漁岳と左に小漁岳(小漁岳の手前にオコタンペ山も見えている)
画像クリックで幅1024ピクセルの「恵庭岳~漁岳」パノラマ画像表示

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空沼岳
画像クリックで幅1024ピクセルの「漁岳~空沼岳」パノラマ画像表示

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イチャンコッペ山

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