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そしてこの時期の富良野岳と言えば、その代表格がエゾノハクサンイチゲの群落であろう。斜面を埋め尽くす様子には圧倒される。今回は稜線の南側(左側)斜面ではやや終盤であったが、見上げる右側の斜面では綺麗に咲いていた。青空を、山々を背景に咲くエゾノハクサンイチゲに目を奪われた。
そのハクサンイチゲだが、がく片がやや淡い緑色の個体を見つけた。ネットで調べてみると本州の北岳ではミドリハクサンイチゲと言われているものもあるようだが~。ネット友のmさんは先日登ったニセイカウシュッペ山でも見られてその様子を
ご自身のブログで綴られていた。興味深い花が増えたものである。

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エゾノハクサンイチゲ



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左側はがく片が淡い緑色をしていた


これも淡い緑色のがく片

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ぐんぐんと高度が上がって来る。斜面の奥に広がる展望は、遠く北日高の山々か・・・。足元に咲くイワウメ、まだ綺麗に咲いていたエゾコザクラが可愛い。一気に登り切って富良野岳山頂に立った、9時55分。登山口をスタートしてから延々と3時間50分だった。(参考までにガイドブックのコースタイムは休憩含まず3時間20分となっています)

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遠く北日高の山々のシルエット
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イワウメ

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エゾコザクラ

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やや強い風を避けて、山頂の少し先へ行ってザックを下した。前富良野岳の奥に見える夕張岳~芦別岳と連なる夕張山地の山々は圧巻だ。そして眼下には原始ケ原と湿原が広がり、それらを優しく見つめるようなトウヤウスペ山。そんな富良野岳からの展望をしっかりとカメラにおさめて腰を下した。

ゆっくりと軽食を頬張っていると、眼下のハイマツ付近から野鳥の囀りが聞こえて来た。「ノゴマだわっ」そう叫んでおばさんがそっと立ち上がる。見下ろすと~ミヤマハンノキにノゴマがとまっていた。今回は少し長いレンズ持参のおばさんがすぐさまシャッターを押す。ノゴマはしばらく囀り続けると、そのままハイマツの中に消えた。

50分ほど山頂部で寛いだあとに、私達は下山を開始した。前方に十勝連峰の山々を見ながらの下りは爽快だ。ただ急な登山道は滑りすいのでゆっくりと慎重に下って行く。もちろん花々の撮り直しも繰り返しながら・・・
「あれっ?hase○さんじゃないですか?」単独行の男性に声をかけられた。わたしもすぐにその方がtさんだとわかった。「わぁ~久しぶり、元気でしたか」、「もう10年以上もたちますよね」。私の現役時代の職場仲間だった。久しぶりの出会いに驚きながら「HPをで元気な様子を拝見していましたよ」「そうでしたか~」。tさんは本州の山をメインにして登っておられたが、最近は北海道の山を楽しんでいるとのことだった。

そんななつかしい、うれしい出会いがあった今回の山行になった。


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前富良野岳の奥に夕張山地

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トウヤウスペ山と原始ケ原
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ミヤマハンノキにとまって囀るノゴマ(おばさん撮影)

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境山方面を見ながら

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さて、今回はまだ楽しい出会いがあった。それはナキウサギとの出会いである。咲いている花を撮ろうと数歩進んだ先に、その姿を見つけた。近い、距離にして数メートルだろうか。小さくて毛並が綺麗な子供のようである。こちらがじっとしていると、あまり警戒する様子も無く、草地にあがって採餌を始めた。後姿の耳もこうしてみるとなかなかチャーミング。おばさんは「可愛い、可愛い」と小声で叫び?ながらシャッターを押していた。何度も繰り返して草を食べ~お腹がいっぱいになったのか、しばらくして岩場の奥に走り去った。「可愛いかったね~!」

まだまだ登って来る人達が続く、もちろん下山する人達ともすれ違う。下山時間に拘らない私達にとっては、少しでも長くこの環境を楽しむべく、ゆったりのんびり・・・陽射しを受けた安政火口を見ながら涸れ沢を渡って小休止。「北海道あれこれの・・・」と声をかけられた。昨年三段山で出会った二人連れの方だった。山談義、花談義が弾む。

13時55分、登山口に到着。「お疲れ~」装備を紐解いて帰路についた。出会いいっぱいの富良野岳に感謝をこめて!


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ナキウサギ(おばさん撮影)
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安政火口を見ながら下山

コースタイムは省略します。

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