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山頂で30ほど休憩して、私達は下山を開始した。突然ふっと視界が開けて春紅葉に包まれた三角山方面が見えた、「わぁ~綺麗ね」思わず歓声があがる。どうやら雨はあがったようである。T4分岐からこれまでに出会った登山者は先行していた男女の二人組だけ。まるで貸切状態の山行だった。
三角山は下側を巻いて~アップダウンを繰り返しながら徐々に標高を下げて行く。「こんにちは~」途中で3人組の女性が休んで食事されていた。「これから登るんですか?」「いえ、今日はここまでにします」話しを聞くと小林峠コースから登って来たとのこと、やはり私達と同じで花を楽しみながらの様子である。

新緑に包まれた沢へと下って行く。登りでは気が付かなかった花々も見られて~ホウチャクソウが咲き始め、、、クロツリバナを見つけて・・・皆写真撮影に余念がない。

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春紅葉に包まれた三角山方面

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アイヌタチツボスミレ
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ホウチャクソウ

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クロツリバナ

花散策を楽しむには色々なパターンがありそうだ。■周辺の植生から考えて丹念に散策する ■書籍やネットによる情報(その花の分布も含めて)によって散策する ■あらかじめ情報を得て(もらって)ピンポイントで散策する等。

今回の山行レポートのタイトルにある「トイシノ浪漫」、発見地が和名の由来であるトイシノエンレイソウは他の場所では見ていたが、まだこの砥石山では見ていなかった。ネットで調べてみるといくつかヒットする情報があった。しかしこの山の何処に咲いているのか?はたまたもう見られないのかは全く不明だった。「まあ、見られなくても・・・砥石山に咲く花々を楽しんで、もしトイシノエンレイソウが見られれば~それこそ浪漫じゃないかな」そんな問いかけに応じてくれたのが今回ご一緒したhirokoさんだった。

「あっ、これかしら」hirokoさんの声に目を向けると・・・初めて見るシダ科の植物ヒロハハナヤスリだった。登る前にチェックしておいたものである。確かに伸び始めた胞子葉はヤスリに似ている。

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ヒロハハナヤスリ(シダ科)
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「あったよ」おばさんの声で駆けつけた。そこにはトイシノエンレイソウが咲いていたのである。「やったね~」「これぞトイシノ浪漫だよね」そんな叫び声をあげながらじっくりと観察する。「こっちは何?」アオミのエンレイソウを見つけて何となく「アオミトイシノエンレイソウかな」等と言ってしまう、とにかくエンレイソウは変異の多い植物である。

「砥石山の花々をゆっくりと堪能していると・・・トイシノエンレイソウが」そんな浪漫を満喫しながら登山口へ下り立った。「あっ、もう3時を過ぎていたんですね」時を忘れて花々を楽しんだ一日となった。

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トイシノエンレイソウ
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これは・・・アオミトイシノエンレイソウと呼ぶべきか? とにかくエンレイソウは変異の多い植物である。
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今回のコースタイムはほとんど参考になりませんので省略します。
注:砥石山の砥石沢コースは閉鎖されています。(2014年5月18日現在)

参考:2005年10月23日に登った時のコースタイム(含休憩時間)
登山口 08:30  T4分岐 09:25  三角山 10:15  砥石山 10:50-11:10  三角山分岐 11:30  T4分岐 12:00  登山口 12:45 【登り 2時間20分  下り1時間35分】

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