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2014年7月12日、私達は北大雪のニセイカウシュッペ山登山口へ向かっていた。上川市街を過ぎて中越から林道に入っても・・・周辺はほぼガスに包まれていた。「あまり良くないみたいね」「でもまあ風は弱いから~雨さえ降らなければ花は楽しめるんじゃないか」そんな言葉を交わしながら長い林道を辿り登山口へ・・・午前7時、駐車地点へ着くとガスが途切れて日射しも見え始めた。「ほらほら~晴れてくるかもよ」私はちょっと自信ありげに呟いた。
(注:中越からの林道は途中に施錠ゲートがあります。事前に上川森林事務所へゲートナンバーの確認が必要です)

駐車場には先行していると思われる車が3台のみ、「もっと混んでいるかと思ったけど~静かなものね」。すぐに装備を整えて午前7時20分登山口をスタートした。今回の行程は距離にして約5.5km、標高差は約740mほどである。

なだらかな登山道がしばらく続き、体がザックの重さをあまり感じなくなって来る頃から~少しづつ傾斜が増して来る。「体に優しい登山道だよね」そう言いながら登山道脇の花々に目を向ける。オオバミゾホオズキはちょうど見頃、あちこちで群生していた。イワツツジやミヤマチドリを見つけ~ツバメオモト、アラシグサとカメラを向ける。

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登山口

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ガスが漂い

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時折陽射しを受けながら

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イワツツジ

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オオバミゾホオズキ

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ミヤマチドリ                  ツバメオモト

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アラシグサ

標高が上がるにつれて、上空からまた日が射し始めた。「暑いわね~」水分補給を繰り返しながら登って行く。やがて前方には雲が流れる1742mコブが見えて来た。大槍は雲に隠れている、「どうなんだろうね、このまま晴れて来るのか~それともガスに覆われるのか」。そんな微妙な状況ではあったが~木々の切れ間から表大雪の山々はちょっと顔を出し始めた。「ほう~雲海の上の表大雪だぞ」期待が膨らむのだが・・・今回はあくまでも花を楽しむのが主目的、何度も見ている光景はちょっとだけ横に置くことにしよう。

やがて正面には1742mコブと大槍~そしてニセイカウシュッペ山頂部が見えて来て、「わぁ~凄いわ」と思わず叫んで「登るんだ」と言う気分が一気に盛り上がる。かと言って天気を気にして急ぐこともしない、展望は流れにまかせておく事にした。見晴台の少し手前で表大雪の山々や小槍から続く稜線の奥に石狩連峰を見る。「見えてるうちに!」とばかりにシャッターを押した。
案の定~見晴台に着いた時には表大雪方面に雲が流れ出していたのである。

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1742mコブが見えて来た

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木々の間から表大雪の山々が

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正面に1742mコブと奥に大槍を見て

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雲海の上に表大雪の山々を見る

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小槍から続く稜線

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奥には石狩連峰が見えた

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表大雪方面に雲が漂い始め・・・(見晴台にて)

見晴台で休んでいると先行されていた単独の男性が下りて来た。「こんにちは」「見えてますね~これからまだ良くなるんじゃないですか」「お花はどうでしたか?」「いやぁ~もう素晴らしかったですよ」、そんな言葉を聞くともう休んではいられない、スッと立ち上がる。

目の前にはガスが漂う1742mコブが立ちはだかる。なかなかの迫力だが、もちろんこのピークは踏まずに北側の斜面をトラバースすることになる。左側は沢へと落ち込む急斜面、ちょっとした岩場もあって慎重に歩を進める。雪渓が遅くまで残る地点であり、その時にはかなり緊張を強いられるところでもあるのだが、今回は完全な夏道となっていた。

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正面に立ちはだかる1742mコブ

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1742mコブの北側斜面をトラバース

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