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やっと急斜面を登り切った地点で沼ノ原まで2kmの標識を見る。「これで急な登りは終わりだったっけ?」「いや、もう少し登りがあってその先が沼ノ原だよ」、水分補給をしてすぐに先へと進んで行く。ここからの登りはそれほどきつくは無い。傾斜が緩んでほぼ平坦になると、沼の原0.8kmの標識を見て登山道は木道へと吸い込まれる。

木道を快調に進んで行く、沼ノ原分岐到着が7時37分。石狩岳や沼ノ原山方面への登山道は綺麗に笹刈りされていた。「やっぱり予想以上に時間がかかったね」「五色岳は無理だよね」。このコースは過去に3回縦走装備で歩いている。その時のコースタイムから事前に予定到達時刻をチェックしておいた。「まあ、何とか五色ケ原まで行ければ・・・」「そうね、無理しないでね」。

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やっと平坦になって

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さらにひと登り

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沼ノ原へ

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沼ノ原分岐

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石狩岳、沼ノ原山方面の登山道は笹刈りされていた

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ホソバノキソチドリ エゾオヤマリンドウ

「行こうか」立ち上がりザックを担ぎ上げる。沼ノ原分岐からは大小の沼のほとりを巡る木道歩きだ。遠くに見える忠別岳や白雲岳方面、目指す五色ケ原はまだまだ遠い。前方に見える筈のトムラウシ山は残念ながら雲に遮られていた。沼ノ原での最大の沼は大沼だ。そのほとりはキャンプ指定地にもなっている。数張りのテントを横目にどんどん木道を進んで行く。湿原にはタチギボウシが揺れていた。

さて、この日の天気だが~風は弱く上空からは日射しが照り付けていた。気温はどんどん上がって来ているようだが、さすがにこの高度になると結構スッキリとしている。それでも水分補給や塩分補給には気を使った。とにかくこまめに飲み、こまめに食べる。そんな意味では時々ザックから取り出して食べるアルファー米は効果があった気がする、少しづつ何度も食べるのだ。水分補給も凍らせたペットボトルが程よい冷たさを保ってくれる。「う~~~うまいね」と言いながら喉を潤す。

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大沼から見る五色ケ原方面は、まだまだ遠い

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トムラウシ山は雲に遮られていた

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大沼の脇を通り

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大沼のほとりのキャンプ指定地

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タチギボウシが揺れていた

沼ノ原を過ぎると、登山道はどんどん下って行く。折角稼いだ高度が・・・どうにももったいない気がするのは私だけだろうか?しかし、登りあれば下りもある、これ人生の常?と達観する寛容さも必要かも?
やがて前方には電光に切られた登山道が見えて来る。「おっ、あそこだぞ」これからあの急斜面を登らなければならないのだ。ちょっと気合の入る瞬間でもあった。

8時35分、五色ノ水場に到着だ。登り始めてから既に3時間を超えていたが~今回の行程では距離的にはここがほぼ中間地点になる。沢に下りると冷たい水が待っていた、ゴクリと飲み干す。今回は2Lのプラティパスを持参していて、水が足りない時にはここで給水しようと思っていたが、結局は出番は無かった。ザックを下して汗を拭い休憩していると・・・ヤブ蚊がどんどんとまとわりついて来た。「ダメだ」「行こうよ」慌てて又ザックを担ぎあげてこの場を去った。

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水場に向かって一旦下る、右上にはこれから登る電光に切られた登山道が見える

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水場はこの左下

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五色ノ水場

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ミヤマリンドウ

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フキユキノシタ

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ミヤマアカバナ

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