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エゾウサギギク

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ホソバノキソチドリ

主稜線に向かって階段を登って行く頃には、完全にガスに包まれてしまった。カメラのレンズフードが少し濡れてきた。「こりゃあ、まずいなぁ」水滴を拭いてカメラをザックに入れようとすると、、、「あっ、明るくなって来たよ」と、おばさんが叫ぶ。「晴れて来るのかなぁ」と嘆願するような顔つきで私は上空を見上げた。その時だった、急にガスが途切れてわずかに日射しを感じて~ほどなく青空までが見えて来て。「ヨシ、ヨシ、もうすぐ稜線だ」と力強く登り始めたその時、、、あっと言う間にまた濃いガスに包まれてしまったのだ。

前方から途中で私達を追い抜いて先行していた単独の女性が下りて来た。「私はやめました、稜線は凄い風です。」「そうですか~ありがとうございます。とりあえず稜線まで行ってみます」
そう言いながらも足元に咲く花々だけはしっかりとカメラにおさめる私、強風に揺れるイワギキョウにカメラを向けて風が止む一瞬をじっとしゃがみ込んで待っている姿はいじらしいかも?

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稜線へ向かって登る

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トカチフウロ

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エゾノレイジンソウ

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イワギキョウ

9時25分、主稜線分岐へ到着。何も見えない・・・強風吹きすさぶ稜線、縦走される方々のものか~近くにはザックがデポされていた。「ダメだねこれは」「下りよう」~結論は早かった。登頂が目的の山行では無い、展望は何度も確認している、、、本当は稜線の途中に咲く花々も楽しみたかったがこの風では無理だろう。休憩する事も無く、私達はすぐさま下山を開始した。

下山途中のお花畑でザックを下して大休止、エゾノツガザクラやチングルマに囲まれて軽食を頬張り~カメラを向ける。
次々と登って来る人達とすれ違う。皆さん異口同音に「山頂まで行ったんですか?」「いえ、稜線上の分岐までです。ガスと強風で山頂はやめました」、、、「もう下山ですか?」「この天気ですので楽しく無いし」「そうだよね、私達もどこかでラーメンでも食べて帰ろうか思って!」と笑いながら言葉を交わす。

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主稜線分岐へ

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アオノツガザクラ

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エゾノツガザクラ
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上ホロ分岐では上富良野岳稜線で戻って来た人達が休んでいた。やはり稜線は強風とガスだったようである。でも皆さんの顔は明るい、そう、こんな事だってあるのだ。何度も山に登っていれば撤退もひとつの行程だ。安政火口に下り立つと上空から日射しが見えて来た。「見えてるんじゃないの?」「いやいや、すぐにまた雲さ」

長い遊歩道を下って行く、、、やっと凌雲閣が見えて来た。振り返る、富良野岳の山頂部が雲の下に見え始めているわけで・・・おいっ!

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上空に日射しが・・・

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登山口付近の凌雲閣が見えて

コースタイムは省略します。

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