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いよいよ、アポイ岳の山頂へ向かって進み始めた。時折突風も吹き抜ける強風にさらされながら登って行く。岩場の影に入って風を避けるとほっと一息、でもまた強風の中に歩を進めることになる。幌満お花畑への分岐を右に分けて、8合目~9合目と登って行く。このあたりはまだほとんど花の姿は見られなかった。必然的に~黙々と喘ぎながら登って行くことになる。

10時ちょうど~誰も居ないアポイ岳山頂に立った。登山口から2時間40分、私達としては出色のタイムであった。

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アポイ岳山頂へ向かって

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アポイ岳山頂

山頂で小休止して~そのまま吉田岳への稜線へ向かった。吉田岳まで行くことはめったに無いが~その稜線歩きは私達にとってはとても快適だ。前方に吉田岳からピンネシリ、そして奥に楽古岳を見ながら下って行く光景は圧巻である。岩場の細い稜線に立てば~足元から眼下に様似海岸が広がる。今回はやや暗かったものの幌満岳から遠くえりも岬方面までも見ることが出来るのだ。

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吉田岳への稜線を下る

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吉田岳とピンネシリの彼方には楽古岳が

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眼下には様似海岸が広がる

稜線上の岩場には・・・さすがにまだほとんど花が見られなかった。咲き始めたばかりのアポイキンバイ、ポツポツと見られたヒダカイワザクラ、、、エゾキスミレはまだ小さな蕾をつけた程度であった。もう少し先の花シーズンが待ち遠しい限りである。

そんな中にあって絶滅寸前のアポイ岳のヒダカソウ、どうやら今年は登山道脇でも見られたようだ。私達は2009年を最後に確認出来ていない。かっては登山道のあちこちで見られたこの花が、盗掘によって激減し~気候変動もあいまって、今やその美しい姿を目にすることは出来無い。ヒダカソウに何とかこの危機を乗り越えて欲しいと願って止まないのだが・・・自然相手だから祈るしかないのか。

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咲き始めたばかりのアポイキンバイ

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ポツポツと見られたヒダカイワザクラ

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ヒダカソウ(2009年5月5日撮影)

アポイ岳から758mピークの中間地点付近まで歩き、ちょっと休憩してすぐにアポイ岳に戻ることにした。アポイ岳への登り返しは見た目はかなりきつそうだが、思ったほどでも無い。往復1時間ほどの稜線歩きだった。
11時ちょうど、さすがにこの時間になるとアポイ岳の山頂には大勢の人達が寛いでいた。私達は休む事無くそのまま馬の背に向かって下って行く。眼下に様似海岸を見ながら~慎重に急な岩場を下り、馬の背からはこどもの日らしくファミリー登山者ともすれ違い、「頑張れよっ」と思わず声をかける。

5合目から樹林帯に入る。「静かよね~」「やっぱり風が無いと楽しいなぁ」、第5休憩所でベンチに腰かけて小鳥の囀りを耳にする。今年最初のアポイ岳、次はいつ登ることになるのか~何はともあれ楽しみな夏山シーズンが本格化した。

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アポイ岳への登り(見た目よりはきつく無い)

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馬の背に向かって下る

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コースタイム(含休憩時間)
登山口 07:20  5合目 08:35-08:45  馬の背 09:15-09:25  山頂 10:00 【登り2時間40分】
    <吉田岳稜線散歩1時間>
山頂 11:00馬の背 11:30  5合目 11:55  登山口 12:55 【下り1時間55分】

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