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ニセコ山系のシャクナゲ岳とその北側に位置する標高1040mの無名峰の一帯は、その美しい山容からビーナスの丘と呼ばれている。冬山としてのシャクナゲ岳には過去2回登っていたが、最後に登ったのは2005年1月だから・・・もう8年も前のことになる。「久しぶりに行ってみたいね、シャクナゲ岳には登らずにシャクナゲ沼付近から〜雪原の奥に目国内岳を見る〜と言う狙いなんてどうだろう」私の提案におばさんは頷いた。

なかなか好転しない天気にちょっと焦り気味の日々が続いた。と言うのも、チセヌプリスキー場の営業は3月末までらしいのだ。スキー場のリフト終点からのスタートになるか、駐車場からのスタートになるのかでは雲泥の差である。

2013年4月1日、私達はチセヌプリスキー場へ向かっていた。前夜の予報(午後からは全道的に晴れ間が広がるでしょう)で急遽決定の山行だった。途中のニセコ町付近からはニセコ連山が青空の下に鎮座していた。「スッキリ見えてるわね」「今日は期待出来そうだな」私は車をとめてカメラを向けた。

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ニセコアンヌプリから連なる山々  (画像クリックで幅1200ピクセルのワイド画像)

チセヌプリスキー場の駐車場に着くと、やはりもうリフトは動いて居なかった。隣で準備していた単独の男性に「どちら迄ですか?」と声をかけた。その方はシャクナゲ岳まで登って滑りを楽しむらしい。私達は滑りを楽しむと言うよりは展望狙いだから、青空が広がってさえくれれば文句は無かった。「今日は見えそうですよね」「そうですね、ただ風は強いようですよ」

装備を整えて午前10時10分、ビーナスの丘に向かって歩き始めた。まずはスキー場の標高差約280mのコースを登らなければならない。コースに沿ってほぼ一直線に登って行くのだが、これがなかなかキツイ。少し登っては足を止め、俯いて息を整えてまたゆっくりと登って行く。「ん??」一瞬周囲が暗くなった、見上げる空には雲が勢いよく流れていたのである。「風は強そうだな、でも段々天気は良くなるだろうから・・・」、やがてシャクナゲ岳の真っ白な山容が見えて来た「ヨシヨシ、これなら大展望だぞ」そんな期待を胸に、約50分でリフト終点まで登った。リフト終点から少し移動してニトヌプリをカメラにおさめて小休止。

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チセヌプリスキー場をスタート

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スキー場のコースを登って行く

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左に真っ白なシャクナゲ岳が見えて来た

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リフト終点は目の前 (奥に見えるのはチセヌプリ)

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ニトヌプリ

チセヌプリの山裾に沿ってチセヌプリとシャクナゲ岳のコルに向かって進んで行く。私達が寄り道している間に単独の男性が先を進んでいた。上空を見上げると・・・どんどん雲が広がって来ている。 おまけに予想通りに風が強くなってきて、「えっ、、、そんな〜」などと思ってももう遅い? ビーナスの丘はところどころ雲間からの日差しを受けて輝くのだが、、、あっと言う間に雲に遮られ・・・グレーなモノトーンの世界に包まれてしまう訳であり、、、勢いよく流れる雲と雲間から覗く青空が刻々と変化して行くのだ。「まあ、これはこれで綺麗だけど・・・」私はフードを深く被りなおしてファインダーを覗いた。

11時40分、コルに出た。北側の視界が開け、積丹半島に連なる山々が目に飛び込んで来た。カメラを構えてシャッターを押す。もう少し風が弱ければゆっくりと山座同定したいところだった。

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チセヌプリの山裾をコルに向かって進む

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ビーナスの丘 (左がシャクナゲ岳、中央にひとつピークを挟んで、右側が無名峰)

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コル付近へ

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北側の視界が開ける

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積丹半島に連なる山々 (画像クリックで幅1200ピクセルのワイド画像

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