昨年末の札幌、初雪は遅かったもののそのまま根雪になってしまい、12月は連日雪の降る寒さの厳しい日々の連続であった。おまけに寒暖の差が激しい日もあったりして、冬山としては雪崩の危険性が増しており・・・「これじゃあ〜無理だね!」年末の山スキー行はあきらめたが、スキーにワックスを塗り、シール、スコップ、ビーコンチェック、ゾンデ棒、ツエルト、GPS等、いつでも山へ向かえる準備だけはしておいた 新年を迎えて日々直前に変わる天気予報とにらめっこ!「明日は何とか良さそうだね、、、でも起きてから決めよう」。 2013年1月5日、私達は中山峠に向かっていた。市内では広がっていた青空だったが、中山峠が近づくに連れてどんどん雲が広がり〜小雪も散らつき始めた。峠の駐車場から写真の森美術館前を通過して除雪最終地点、ロータリーになっているので奥のスペースに駐車した。 「風は弱いわね」「そうだね、問題はこの雪がやむかどうかなんだけど」そう言いながらゆっくりと準備を始める。午前8時55分、薄日射す小雪の舞う駐車場をスタート。前日のものだろうか、うっすらとスノーモービルのトレースが残っていた。 |
スノーモービルのトレースに導かれて |
今回の行程は蓬莱山から稜線上を南へ進み反射板のある幌滝山(一等三角点:中山996.7m)をピストンである。スキーで滑る楽しさは無いが、厳寒期の雪化粧した木々の美しさや広がる展望が素晴らしい行程である。但しその稜線はなだらかで広いので、視界不良時には迷い込む危険がある。冬山全般でも言えることだが好天ならではの山と言えるだろう。 スノーモービルのトレースはすぐに林道から離れて林間に入っていた。私達は迷う事無くそのままトレースに沿って進んだ。薄日の射し込む樹林帯、すぐに真っ白な雪を纏った凍てついた木々に包まれる。 スーッと上空が明るくなり、淡いブルーの空が見え隠れしだして〜前方の視界が開けると・・・「来た、来たぞ〜〜〜」「わあ〜綺麗」、凍てついた木々が一斉に輝き始めた。そんな輝きを背景に真っ白な雪面にサクサクと自分達のスキーのトレースを刻んで行く。もちろん雪質は最高のパウダーである。軽いラッセルはシーズンの登り始めとしては最高の状況を演出してくれているかのようだ。 |
樹林帯へ入って行く |
あちこちにうっすらと残るスノーモービルのトレース、私達は947mピーク手前で蓬莱山に向かって進路をとった。時々青空は広がるもののすぐに雲に覆われ、小雪は絶え間なく舞っていた。ただ風がほとんど無いので寒さは全く感じない。「全然寒く無いね」、途中でミネラルドリンクを飲みながら、ポカポカと火照る手袋の中の指先の感触を確かめていた。 雲に覆われると周辺は一気にモノトーンになる。逆光の中で凍てついた木々が描き出す光景に、思わず息を止めてシャッターを押す。 |
モノトーンの世界に |
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