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2013年6月23日、私達は鹿追町から然別湖方面に向かっていた。目指すは東ヌプカウシヌプリ、しかしその山頂付近は雲に包まれていた。扇ケ原展望台で眼下の十勝平野をカメラにおさめ白樺峠へ、装備を整えていると1台の神戸ナンバーの車がやって来た。「登られるんですか?」「えぇそうです」お互いに確認しあってちょっとほっとする。

午前8時、登山口の入山ポストに届けを済ませて、笹の刈分け道を進んで行く。足元に淡いピンクのハクサンチドリを見つけてカメラを向ける。写真を撮り終えて前方を見ると山頂方面が見えて来た。「今日は段々良くなるよ」「そうよね」〜おばさんは答えながら進んで行く。登山道脇の笹は駆られていて被ることは無いものの、一応ダニさんに要注意だ。 すぐに針葉樹林帯の中に入って行く。

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登山口

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ハクサンチドリ

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笹の刈分け道

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樹林帯へ入る

なだらかで薄暗い樹林帯をどんどん進んで行くと〜やがて苔むした登山道となり・・・ふと前方を見ると少し霧が漂い始め〜それに木漏れ日が降り注ぎ何とも言えぬ情景が展開されていた。おばさんはそんな霧に吸込まれるように進んで行く。まさしく幽玄の森でも歩いているようだ。周辺の風穴からのひんやりとした風が、外気との温度差によって神秘的な霧を発生していたのだろうか〜苔むした登山道と朝露に濡れた花々、ヒメイチゲやミツバオウレンが雰囲気を盛り上げる。

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神秘的な霧が漂う幽玄の森を行く
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ヒメイチゲ

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ミツバオウレン

苔むした登山道を抜けると傾斜は一段と急になって、ゴロゴロと転がる石をかわしながらの登りとなる。濡れた石と張り出した木の根、「滑るわよね」「足元注意だぞ」そう声をかけあいながら慎重に歩を進めるのだが、つい咲く花々に目をとられて足をとられる。「滑るね〜」私は苦笑いしながらそう呟いた。

「クロツリバナ」は夕張岳や目国内岳で見ていたが、この山の登山道脇でも沢山見られた。「ウスバスミレ」亜高山の樹林帯で見られる小さなスミレである。ひとつふたつと咲いているが群落を作ることはあまり無いようで、つい見逃しそうになる。それだけに見つけた時は嬉しい。今回は針葉樹林の下で見ることが出来た。

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クロツリバナ

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ゴゼンタチバナ

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ウスバスミレ

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