「ここは去年よりも素晴らしいんじゃない？」「そうだね、何か圧倒されるような紅葉だね」。これでもか、これでもかとでも言うようかのように赤い絨毯は続く。高曇りの空は時々青空を覗かせ、そのたびに紅葉の輝きが増す。 お鉢平展望台の手前はちょっとした登りとなっていて〜その周辺にはナナカマドが輝いていた。おばさんはその中に吸込まれるように登って行く。

お鉢平展望台手前の登りは美しい

9時30分、お鉢平展望台に到着した〜眼下に広大なお鉢平が広がる。水分補給をして小休止、少し風はあるもののそれほど寒くも無い。「それじゃ、行って来るよ」、この周辺でナキウサギを撮りたいと言うおばさんを残して、私は単独で北鎮岳に向かって歩き始めた。昨年も同じ行程だったが、お鉢平展望台からは距離にして約1.2kmほど、途中にちょっと急な登りはあるものの1時間ちょっとでピストン出来る。 お鉢平へと落ち込む斜面の黄葉をカメラにおさめながら、北鎮岳の肩へ向かって急斜面を登って行く。振り返り凌雲岳と黒岳をカメラにおさめる。

お鉢平展望台へ

お鉢平（パノラマ）

北鎮岳に向かって

お鉢平へ落込む斜面の黄葉

北鎮岳の肩への登り

凌雲岳、黒岳方面を見る

10時7分、北鎮分岐へ到着〜お鉢平展望台からここまで22分。「まずまずのペースだな」そう自分に言い聞かせながら、新しく広がる展望にため息をつく。左に旭岳、右に安足間岳を置いてその中央には裾合平が広がる。分岐から中岳、間宮岳とお鉢平を囲む山々への稜線が続く。 「ヨシ、行こう」私はそう言葉を発して誰も居ない北鎮分岐を後にした。目の前には北鎮岳山頂に向かう急斜面が見えている。結構辛そうに見える斜面だが15分程度の道程だ。私は登るにつれて広がって来る展望を楽しみながらゆっくりと登った。お鉢平を囲む稜線の奥には、白い雲が流れ、忠別岳やトムラウシ山がその隙間から見え隠れしていた。 途中で下山して来る2人組と単独の男性とすれ違い、ひと登りで北鎮岳の山頂に立った。10時20分、お鉢平展望台を出発してから35分だった。

北鎮分岐

左に旭岳、右に安足間岳　　中央が裾合平方面

北鎮分岐から中岳、間宮岳へと続く稜線　　奥に旭岳

分岐から見る北鎮岳

お鉢平を囲む稜線の奥に、忠別岳やトムラウシ山が・・・