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2012年9月28日、私達は始発(6時)の黒岳ロープウェイに乗り込んだ。観光ツアー客も含めてほぼ満員のロープウェイは数分で5合目まで上がり更にリフトを乗り継いで7合目登山口へ。平日とは言え紅葉シーズンである、もっと混雑していると思ったが意外と閑散としていて人もまばらだった。入山届けを提出してすぐに登り始めた、6時35分。

直前まで変わる天気予報に惑わされながら、この日の山行になったのだが、予想外におだやかな天気だった。ほどなく、視界が開けて北大雪の山々が見えて来た。「今日も素晴らしいなぁ〜」上空を覆う薄い雲と所々に見える青空の下に、山々のシルエットが続く。日射しを受けたニセイカウシュッペ山の際立つ山肌と流れる雲のバランスも美しい。

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リフトを下りて7合目登山口へ

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北大雪の山々

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ニセイカウシュッペ山をズーム

「今年の紅葉はどうなのかしら?」「この暑さだからね〜かなり遅れるかも」、そう言いながらネットで日々情報を確認していた。当初はもう1週間前に登る予定だったが、その頃はまだ色づきを感じる写真もあまり見られず、結局延期してこの日を迎えたのである。前日の夕方、その層雲峡ビジターセンターを訪れた、紅葉情報を聞きたかったからである。2日前の写真を見せていただいて、雲の平ではかなり紅葉が進んでいるとの事だった。

黄葉に包まれながら登って行く、やがて前方にはこのコースの見どころでもあるマネキ岩が見えて来た。全体的にやはりちょっとくすんでいたが黄葉的な輝きは広がっていた。ただナナカマドの鮮やかな赤はほとんど見当たらない。「でも、まずまずかなぁ〜」そ言いながらゆっくりと登って行く。登山道脇では草紅葉が始まりを迎え、弱い日差しを受けながら眼下の斜面を黄葉が覆う。

「ちょっと待って!」おばさんが立ち止まった。藪の中が揺れている、「シマちゃんかい?」私の問いかけにおばさんは黙って頷いてカメラを向けた。登山道のすぐ脇の藪の中、エゾシマリスは黙々と植物の果実を採っている。カメラを向けても知らん顔?いや冬眠を控えてそれ所では無いのだろう。せっせと頬袋に果実を詰め込む。「頑張ってね」そう声をかけて私達はその場を離れた。

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マネキ岩を見ながら

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登山道脇の草紅葉

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北東斜面の黄葉

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エゾシマリス(おばさん撮影)   詳細はおばさんの写真ブログ

午前8時ちょうど、黒岳山頂に立った。すぐに烏帽子岳方面に目を向けた、山肌を覆う紅葉を確認するためである。「まずまず、だよね・・・」、ここもやはり鮮やかな赤は見られずちょっとくすんだ紅葉だった。「これからもっと良くなるのかしら・・・」「どうだろうね、結構枯れていた葉っぱが多かったからね」「もうすぐ雪が降るかもしれないし・・・」山頂から広がる大展望をいつも通りにカメラにおさめて、小休止。

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黒岳へ

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烏帽子岳方面

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北海岳、旭岳、北鎮岳方面

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凌雲岳と奥に北鎮岳

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