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2011年7月24日午前6時前、私達はユニ石狩岳(由仁石狩川コース)登山口に立った。さすがにこの時期になるとこのコースを利用する登山者も結構多く、駐車場には数台の車がとまっていて出発準備をしているグループもいた。ほとんどがユニ石狩岳へ向かっていたようである。

今回はブヨ沢から稜線へ出て音更山に登ると言うyamazさんとakamさんに同行させていただいた。午前6時10分、登山口をスタート〜ほどなく丸木橋を渡り、フキをかき分けながら進んで奥の大きな倒木を利用した橋?を渡る。

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ここのところ天気は不安定な状態が続いていた。それでいて大崩も無く結構晴れ間もあるのでなかなか難しい、結局は登山口まで行ってみて最終判断するしかない。
この日の登山口は青空スタートだった。「これなら展望もいけるかも・・・」私は期待していた。登山道は暗い樹林帯に入って行く。周囲に咲くエゾノレイジンソウが見事である、足元にミヤマチドリやツマトリソウ、イチヤクソウ等も見られるのだが〜とにかく暗い。写真を撮るにしても大変である、手持ち撮影ではISO頼りにならざるを得ない! ちょっと明るい場所で淡いブルーのミヤマハンショウヅルを見つけてカメラを向ける。

やがてしっとりと苔むした登山道になって来ると「鳴兎園」は近い、時折「ピチッ」とエゾナキウサギの声が聞こえて来る。「今日は会えるかな〜」おばさんの言葉に、「なかなかうまく顔を出してくれないから」yamazさんが答える。と、、、おばさんの足が止まった〜カメラを構えた、目の前には大きなエゾナキウサギがいたのである。しかしすぐに風穴に引っ込んだ。「何枚かは撮れたけど・・・」、しかし驚くことにそのナキウサギは再度出てきて〜今度は目の前で草を食べ始めたのである。おばさんは何度もシャッターを押し続けた。

沢を覆う雪渓を越えて行く、振り返るとニセイカウシュッペ山がクッキリを見えていた。「今日は展望が期待出来そうだな」私はファインダーを覗きながら呟いた。

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エゾノレイジンソウ

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ミヤマハンショウヅル

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苔むした登山道

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エゾナキウサギ(おばさん撮影)

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振り返るとニセイカウシュッペ山が・・・

沢を埋める岩なだれ跡を越えて進んで行くと、やがてブヨ沢出合いである。ここからは一般登山道と分かれてブヨ沢へと入って行く。沢の水量は少なく普通の登山靴でも問題は無いが、目印のテープが途中に少しあるだけである。経験者との同行以外では避けるべきルートだと思う。
気温は結構上がっているものの、冷たい水の流れに沿って進むだけに気持ちが良い。「咲き始めですから、本当に綺麗ですよね」チシマノキンバイソウを指さしながらyamazさんが言った。ハクセンナズナやキバナノコマノツメ、エゾノリュウキンカが咲く・・・そんな花々の美しさに上空の青空が色を添える。

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ブヨ沢を進む
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咲き始めたばかりのチシマノキンバイソウ(おばさん撮影)

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ハクセンナズナ

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キバナノコマノツメ

沢源頭部の美しい緑に目を奪われながら〜午前8時50分、稜線に飛び出した。ブヨ沢出合いから約1時間であった。周囲はチシマノキンバイソウやマルバシモツケ、アオノツガザクラ、エゾヒメクワガタ等が咲くお花畑だ。
ザックを下して一旦休憩・・・しかし〜ここは「ブヨ沼」キャンプ指定地である、その名に相応しく?〜強烈にムシが纏わりついて来る。風は無く蒸し暑いと条件は揃って?いた、あっと言う間に何か所も刺されてしまうのだ。「こりゃあ、だめですね〜」「もう少し登ってしまいましょう」、とてもゆっくりと写真を撮っている場合では無かった。さっと写してザックを担いだ。

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稜線(ブヨ沼キャンプ指定地)へ飛び出す

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チシマノキンバイソウ

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マルバシモツケに蝶が舞う(おばさん撮影)

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