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2011年6月26日6時、私達はニセイカウシュッペ山登山口に立った。既に駐車場には沢山の車がとまっていて、おまけにテントを張っている人達もいたようだ。出発準備を終えて先行して行くグループもいる。天気予報も好転していたから結構登る人が多いかもと思ってはいたが、、、ちょっとビックリしながら早速私達も装備を整える。

6時20分、同行のyamazさん、akamさんと一緒に登山口を出発した。気温はこの時期としては低めであるが、上空からの日射しを考えると山登りには絶好である。ぬかるんだ登山道を淡々と進んで行く、標高1370m付近から登山道を残雪が覆い始める、「今年はやっぱり雪が多いね〜」「これならお花はまだまだかしら」
高度が上がるにつれて上空を薄い雲が覆い始めた、「今朝はあんなに天気が良かったのにね」「まだ不安定な状態が続いているのかな〜」「まあ、雨が降るような天気では無いから・・・」
途中で早くも二人連れの方が下山してきた。「もう山頂まで行ってきたんですか?」「ハイ、登山口出発が3時でしたよ」、道外から来た方のようである。「途中に雪渓がありましたよね、どうでしたか?」「綺麗にステップが切ってあったのでアイゼン無しでも大丈夫」、「ありがとうございました」お礼を言う私達をしり目にスタスタと下って行った。

やがて南西方向の展望が開けて来て、表大雪の山々が見え始めた。やはりちょっと霞んでいる、「あれっ、あの鳥は何?」おばさんがカメラを構える。遠目の聞く(遠視?いや老眼)の私の目に飛び込んで来たのは「ウソ」だった。おばさんもファインダー越しに「ウソよっ」そう言いながらシャッターを押した。

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登山口

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登山道を覆う残雪

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展望が開けて

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ウソと遭遇した(おばさん撮影)

見晴し台を過ぎると前方には1742mコブと大槍が立ちはだかるように聳える。登山道はその1742mコブを巻いて登って行く。「いよいよだねっ」「気をつけろっ」私は先を進むおばさんに叫んだ。目の前には急斜面の雪渓トラバースが待っていた。大槍とのコル手前にも大きな雪渓が残っていて先行するグループが見えていた。
一歩、二歩と足を踏み出してみる、雪質は比較的柔らかく歩き易いようだ。しかし綺麗にステップは刻んであるものの、足を滑らせると沢へ向かって滑落の危険もある。

トラバースの途中で単独の男性が待っていてくれた。「どうぞ」「ありがとうございます」、そう言って通り過ぎようとすると「夕張岳はどうでしたか?」「えっ?え〜良かったですけど」、「ホームページ見てますよ」「そうですか、ありがとうございます」。前週は暑寒別岳に登ったそうである、「素晴らしかったですよ」満足そうな笑顔であった。

緊張のトラバースは大槍とのコル手前まで続いた。ほっと一息つきながら表大雪の山々を見つめる。

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見晴し台から1742mコブへ向かって

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雪渓トラバース

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大槍とのコル手前の雪渓を登る

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大槍とのコルにて

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表大雪の山々

大槍へ向かって進んで行く、そして振り返り〜あらためて登って来た雪渓を見つめる。

9時10分、大槍の基部へ飛び出す。既に登り始めてから2時間50分を経過していた、山頂までは残り30分程度だろうか。ゆっくりと周辺を楽しみながら写真を撮りながらのペースだからこんなものだろう。残雪を踏みしめながら、比麻奈山へと続く岩峰群(アンギラス)の迫力ある姿を見る。「あれだなっ」私は呟いた。今回もその岩峰群を少し歩くことにしていた。

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登って来た方向を振り返る(手前の雪渓をトラバースする)

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大槍基部へ飛び出す

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左がニセイカウシュッペ山頂

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比麻奈山へと続く吊尾根の岩峰群(通称アンギラス)

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