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「今年の紅葉はどうなんだろうね」「何処が良いかしら」、やはりこの季節になると大雪山系の紅葉を一度は見たい。層雲峡ビジターセンターのHPを覗きながら〜「紅葉最前線で黒岳かな、雲の平はしばらく歩いていないしね」、どうやら紅葉は7合目まで下りてきているようだ。問題はこのぐずついた天気だった、折角の紅葉だから寒くてもやはり日射しは欲しい。
前日の予報で核心して層雲峡温泉へ向かってひた走り、「明日は平日だからきっと駐車場は空いているよ」そんな予測は見事に外れて、駐車場は本州ナンバーの車で大賑わい。「こりゃあ〜すごいねぇ」「明日は早めに行動開始ね」

2011年9月20日午前6時のロープウェイ始発に乗り、リフトに乗り継ぎ7合目登山口へ。ちょっとガスが流れていてニセイカウシュッペ山は霞んでいた。「大丈夫、きっと晴れるさ」そう確信して登山事務所前に並ぶ、そうここで入山届を記入しなければならない。どうしてもここで登山者の列が出来るのだ。もう少し何とかならないかと思うが、考えてみるとここで順番に少し間隔をとれるので登山道は思ったほどの混雑とはならない効果があるのかもしれない。
結局7合目登山口出発は6時40分、無風、上空にうっすらと雲が浮かぶものの朝の日射しをしっかりと感じながらのスタートとなった。「おだやかだねぇ〜〜まあゆっくり行こうよ」、今回の行程は黒岳から黒岳石室、そして雲の平周辺散策、その後は決めていなかった。紅葉次第、体調次第、天気次第と言ったところである。

階段や石の転がる登山道ではあるが、以前に比べると随分整備されていて歩きやすい。高度が上がるにつれて展望が広がって来る。左右に大きく裾を広げるように、天塩岳がおだやかな表情を見せている。目の前にはニセイカウシュッペ山、平山、そして屏風岳や武利岳、武華山がうっすらと残る朝焼けの中にくっきりとシルエットを刻んでいる。「何度見ても良いなぁ〜〜〜」私はカメラのファインダーを覗きながら何度もシャッターを押した。

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ガスが流れて・・・

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天塩岳方面

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ニセイカウシュッペ山と平山

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屏風岳、武利岳、武華山

「どうぞ、お先に」急ぎ足で登って来る人達もいる、しかし総じて言えば、紅葉が輝くこの季節の山ではカメラを持ってゆっくりと登る人が多いような気がする。その中の二人が私達でもあるわけだ。登山道脇の木々の葉に日射しが当たり輝きを増して来る。遠く阿寒の山々のシルエットが浮かんでいた。
とにかくおだやかな天気だった。7合目登山口の(標高1520m)気温は3度、しかし風が無いのでほとんど寒さは感じない。ただ油断は出来ない、天候急変で雨が降り出し風が吹けば一気に冬山の様相にかわるだろう。もう大雪山はいつ雪が降ってもおかしくない季節なのだから・・・紅葉と紙一重なのだ。

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遠く阿寒の山々のシルエットが・・・

やがて前方にマネキ岩が見えて来る、紅葉がとても綺麗なポイントである。「今年はどうなんだ」カメラを持つ手に力が入る。日射しを待って「それっ」とばかりにシャッターを押す。日射しを受けると紅葉の輝きが一段と増すことは言うまでも無い。撮影ポイントに立ち止りシャッターを押しながら、「今年の紅葉は・・・」「昨年と比べて・・・」などと見知らぬ人達との会話が弾む。
「綺麗ね〜」見下ろすマネキ岩周辺の紅葉もまた見事である。そんな輝きを楽しみつつ、ひと登りで黒岳山頂へ飛び出した、午前8時15分。「わぁ〜〜〜」歓声が聞こえていた。「さあ、どうなんだ、見えてるのかい?」緊張する瞬間である。

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マネキ岩を見ながら

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黒岳山頂へ

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