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広い稜線を進んで行く。「咲いてるわよっ」おばさんがカメラを向けている〜お目当てのタケネシオガマに何とか間に合ってほっとする。この花に出会うのは10年ぶりである。ボリュウムのある花姿と、上から見た時の美しい幾何学模様的な姿が印象的である。ヨツバシオガマとは違って一年草だ。間もなく結実して種子を残そうとしているものが多かったが、、、気にいった株を見つけてカメラを向ける。

私は久しぶりに見たタカネシオガマにすっかり懐かしさを感じていた。何故だろう、一体この10年間はこの花を避けて?何処を歩いていたのだろうか?まだ見ぬ展望や〜まだ見ぬ花々を必死に追い求めていた日々が経過しただけだったのでは。果たしてそれで山歩きや花歩きが満足されていたのだろうか? 今やすっかり便利になった(なり過ぎた)ネットでの情報に振り回されているだけでは無いのか?

確かに〜その時々で感動があったのだろうが、もっと自分なりのストーリーを追い求めて初めてその全体像が見極められるような気がする。音楽で言えば、各楽器の音色や音質、バランス等を追い求めているうちに〜その作品の全体的な姿を見失ってしまっている自分に気がつくことがあるのに似ている・・・

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タカネシオガマ
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チシマギキョウが咲き、yamazさんお目当てのカラフトゲンゲが咲き、予期せぬオニクとの出会いに歓声を挙げる。久しぶりの平山稜線になつかしさをいっぱい感じながら歩き、そして予期せぬ発見があって〜自分なりにこの山への想いを作りあげる・・・結局稜線散歩は1時間半にも及ぶことになった。

ニセイカウシュッペ山方面の雲が途切れてきた、「もっとスッキリ見えてくるぞ!」私はそう思った。やがてあのアンギラスに続く鋭い吊尾根、大槍、小槍、そして1811mピークに立つころには〜ニセイカウシュッペ山がその姿を見せた。10時30分、登山口を出発してから4時間15分だった。
ピークで休んでいるとニセイカウシュッペ山側から吊尾根(アンギラス)を経由して来る人達がいた。この間2時間ほどかかり、最後のハイマツ漕ぎが結構きつかったようである。

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雲が消え去り・・・

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鋭い吊尾根を見ながらの稜線散歩は心地良い

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中央にアンギラス、左奥に大槍、右奥がニセイカウシュッペ山

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平山方面を振り返る

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1811mピークを目指して

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比麻良山への縦走路側から1811mピークを望む(写真提供:yamazさん

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チシマギキョウ(おばさん撮影)

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カラフトゲンゲ
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オニク

周囲が一段と暗くなって来て、雨がポツポツと落ちて来た。「下りましょう!」花も展望も楽しませていただいたから引き際は速い?カメラをザックに入れてザックカバーをつけ〜カッパを来て稜線を戻って行く。風が弱いのであまりストレスは無い。稜線から高度を下げて第二雪渓が近づいた付近で雨はほぼ止んだ。

再びザックからカメラを取り出し〜撮り直しが始まる・・・これだから登山口は遠いのだ。

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チシマギキョウ1 ★チシマギキョウ2 ★クモマユキノシタ ★オニク
    
コースタイム(含休憩時間、写真撮影時間)
登山口 06:15  第一雪渓 07:45-08:00  稜線分岐(1737m) 09:00  1811mピーク 10:30-11:00  稜線分岐(1737m) 11:30  第一雪渓 12:25-12:40  登山口 13:45  

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