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待ちに待った3連休だったが天気予報は今ひとつ〜それでも曇り予報の中を上川町に向かって車を走らせた。予報通りの曇り空、もちろん山は見えていない。「どうしよう〜〜〜」「どうする?」、ちょっと層雲峡方面へ向かったが状況は同じである。「止めて花散策に変更しようか」そう思いながら上川町に戻ると・・・上空少しだけに明るさを感じた。「行ってみようか」そう決めて長い林道に入った。

2010年9月18日、私達はニセイカウシュッペ山登山口を目指して林道を進んだ。ゲート前で一人の男性が立っていた。私達の車が着くとニコニコしながら近寄って来る。外国人のようだ、きっと鍵番号がわからないのだろう。私は親指をたてて「大丈夫ですよ」と合図をした。車から出ると「番号を忘れてしまって〜〜〜○○○△だったと思うんですけど」と大変流暢な日本語で話しかけてきた。私はホッとしながら「○○○×ですよ」どうやら末尾の番号を間違えていたようである。解錠出来てニッコリ笑った男性は「どうもありがとうございました、山ですか?それじゃあ一緒ですね」そう言いながら先に進んで行った。

登山口に着いても天気状況は変わらない。「少し待って様子を見ようか〜」せっかくの紅葉狙いの登山である、出来れば日差しを受けて輝く彩りを見たいのである。しかし、変わらぬ天気に業を煮やすように登山口をスタートした、8時20分。先行者は外国の男性とその前に一組だけのようである。「意外と少ないんだね〜」「天気のせいもあるんじゃない?」「うん、それにやっぱり表大雪の方が人気だからね〜」静かなスタートにちょっと驚きながら良く整備された登山道を進んで行く。

おばさんが立ち止ってカメラを構えていた・・・「何かいるのかい?」「シマリスよっ」おばさんは小声で答えながらシャッターを押していた。私もそっと近づきながらシマリスを見る、、、と〜間もなくスルスルと笹藪に走り去った。おばさんはニッコリである、どうやら草の実?を食べている様子が撮れたようだ。「ここで食べ物は十分あるのかしら・・・冬眠するだけの食糧は確保出来るのかしら?」心配そうに言う。「大丈夫さ、生命力は驚くほど強いと思うよ」

登山口
登山口

シマちゃん
エゾシマリス(おばさん撮影)
シマちゃん2

登山口の標高が約1140m、しばらくはゆるやかな登りの登山道が続く。1400mを越えた付近からやっと少し登りらしく?なって来る。それにしても広葉樹の葉の紅葉は・・・どうも冴えない。日差しが無いせいもあるのだが、葉が傷んでいたり枯れ始めているものも多かった。「今年の気候のせいなのかな〜」ちょっと落胆気味に進んで行く。

登山道

紅葉

登山道2

時折ガスが途切れて沢を挟んだ北側の斜面を日差しが照らす、しかしほんの一部だけである。「見えてるわよっ」「う〜〜〜ん、なにか冴えないなぁ〜〜〜」ファインダーを覗いて見てもどうもすっかりと感じるものが無い。「まあ、一応撮っておこうか〜」と気持ちの入らぬシャッター?を押す。

登山道ではほとんど無風だったが、ガスの流れは流動的だった。「どうなるんだろうね、ひょっとして一気に晴れあがって〜〜〜なんて事は無いよね」私は弱気に呟いた。
やがて前方に1742mコブがガスに包まれながら迫って来る。「おぉ〜〜〜」圧倒的な迫力である。「ガスもまた良いな〜〜〜紅葉はまあイマイチとしても・・・」、標高1570m付近の見晴らし台で水分補給しながら呟いた、10時05分。天気が良ければ前方に表大雪の山々が広がる地点である。もちろんこの日は全くその光景を見る事は無かった。

1742mが迫る
1742mコブが迫る

迫る2

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