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富良野岳からオプタテシケ山まで連なる十勝連峰、その間で繋がっていない箇所があった。上ホロカメットク山と十勝岳の間である。1999年8月に望岳台から十勝岳に登った時のレポートを引用する「上ホロカメットク山への稜線上の火山灰地にきざまれた登山道、富良野岳の濃い緑が、瞬間見事なコントラストを描きだすのです思わずこの稜線を通って行きたい欲望にかられました。しかし今日の予定はここまで、無理しない無理しない。」

あれからもう9年も経過していた、「今年はどうしても行きたいなぁ」そんな私のリクエストにおばさんも頷いた。2008年8月31日、私達は十勝岳温泉の駐車場に立った。早速装備を整えていると何やら見たことがある人が「あれっ?sさんじゃないの?」sさんご夫妻もちょうど準備をしているところだった。話を聞くと何と私達と同じ目的、上ホロカメットク〜十勝岳間を繋ぐことだったのである。お二人は望岳台に下りてバスでまたここに戻って来ると言う。そんなお二人は先に出発して行った。

途中の上富良野岳市街はガスに包まれていたが十勝岳温泉は雲の上だった、素晴らしい青空が広がっていた。午前6時40分入山届けを済ませてスタート、逆光の安政火口で静かに合掌して眼下の雲を見ながら上ホロ分岐を目指す。エゾオヤマリンドウはもう終わりを迎えようとしていて、かわって草紅葉が始まりつつあった。

良い天気〜

エゾオヤマリンドウ
エゾオヤマリンドウ

上ホロ分岐から沢形を登って行く。前方から朝の光が差し込んで来る、無風だ、絶好の縦走日和だった。「ほらっ、紅葉が始まっているわよっ」おばさんが叫ぶ。「う〜〜〜ん、日差しがねぇ〜帰りに期待出来るんじゃない」ちょうど日陰になった斜面が色づいていた。
上ホロ分岐からの登りは初めてだった。富良野岳から三峰山〜上ホロカメットク山の周回コースの下山では2度歩いていたのだが、、、「ずいぶん立派な階段になったのね・・・こんなにあったかしら・・・」長い階段が続く。私達がここを最後に歩いたのは7年前だから、その時と比べると登山道は随分整備されていた。それにしても今回のレポートには9年前とか7年前とか、、、「寄る年波を感じる語句が並んでしまう悲しさや〜〜〜」と一句詠んでしまいそうな雰囲気である。

沢形を

そして階段
階段登りが・・・
   
コケモモ
コケモモ

高度が上がるにつれて視界がグンと開けて来る。圧巻は安政火口とその奥に鎮座する十勝岳であり、そして美しい緑に包まれた富良野岳から三峰山を背景に登って行くことになるわけで・・・そのクッキリとした輪郭が目に飛び込んで来るわけであり・・・「いっやぁ〜〜〜良いなぁ〜〜〜今日は素晴らしい!!」私はそんな言葉を発しながらシャッターを押していた。おばさんは可愛らしいコケモモの実にカメラを向けていた。

安政火口〜十勝岳
安政火口(中央奥に十勝岳)
  
富良野岳
三峰山から富良野岳を背景に

やがて前方に上富良野岳が壁のように迫ってくる。火山れきの急斜面を登って行く。見上げると白い雲、そして広がる青空〜私のカメラのファインダーに斜面を登るおばさんを配置した光景が映し出されていた。登りきった、、、おばさんが叫んだ「わぁ〜〜〜」

稜線へ〜〜〜

登り切ると〜〜〜

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