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「まだかしらね」、「もうそろそろだと思うんだけど・・・」、「4年前の記憶はあいまいよねぇ〜〜〜」そんな言葉を交わしながら尾根を進んで行く。時々小鳥の鳴き声が聞こえて来る、、、「どこ、どこにいるの・・・」見上げる木の上に小鳥が飛び交うのだが、、、もちろんジッとしていてはくれない。
「あっ、着いたね」歩き始めてからちょうど2時間、私達は原田旅宿跡についた。もちろんもう建物は無い、案内板があるだけである。

【明治6年、山道が非常に危険なのでここを守る人を探し、原田安太郎夫妻がこれに応じて四間に七間の家を建て、宿泊させたり相談役になったりして12年間人々の安全を護った(要旨)】と書いてある。昔日の山道は今のように整備されてはいなかっただろうから、そこを歩く旅人はここに辿り着いてほっとしながら荷を解いた事だろう。それにしても水はどうしたのだろう、きっと深い沢まで毎日水汲みの往復だったのであろう。そんな苦労を癒すのは周囲に咲き誇る花々だったに違いない。

旅宿跡の前には碍子が落ちていた、目をつぶると昔日の旅人が大きな荷物を背に〜俯き加減に歩いて来る感覚にとらわれそうだった。

旅宿跡
原田旅宿跡

昔日の面影
碍子が落ちていた・・・

その碍子だが、途中の山道でも結構見られた。海岸線の道路が出来るまではこの山道沿いに電線が張られていたのだろう。

旅宿跡から再び沢に下りてまた尾根に登って・・・・・木々の間から海を感じながら進んで行くと「山道中間点「3497.5m」の標識を見る。「西口までの中間点だからね、今回はコトニでまでですから〜あと2kmくらいですよ」。
上空には青空が一段と広がっていた、アポイ岳が見え隠れしていた。そして沢に下りると「オイオイ沢」と書かれた見覚えのある標識が木に縛り付けてあった。ここまではコトニ側から何度か来ていた。

「やっとここまで来たわね」「昼にしましょうか〜」ザックを下ろして腰を下ろす。「静かねぇ〜〜〜」「こんな山道歩きも良いねぇ」

中間地点
山道中間地点

アポイ岳
木々の間からアポイ岳が見え隠れ

オイオイ沢
オイオイ沢の案内板

沢を渡り最後の大きな登りへと進んで行く、いよいよゴールを視野に入れながら歩を進めて行くことになる。何度歩いている箇所だから気分的にも安心感が漂う。

登り1

登り2

やがて再び前方に海を感じるようになって来ると、今回の最終地点コトニ入口は近い。一気に下って昆布干場に出た、13時00分。歩き始めてゆっくりペースで3時間半、お花の時期で写真を撮りながらだともう1時間くらいは見ておきたい。

「お疲れさまでした〜」「とっても静かで、楽しかったです」・・・・・そんな言葉を交わしながら山道歩きを終えた。

海を感じながら。。。

コトニ入口

*様似山道のコース図は「様似町」のホームページからフットパスコースとして詳しいpdfを参照出来ます。
     
コースタイム(含休憩時間)
様似山道東入口 09:30  原田旅宿跡 11:30  途中昼食  コトニ入口 13:00  

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