「様似山道」、最近ではお花の時期に訪れる人が多くなっているらしい。私達がここを歩いたのは4年前の5月下旬、エゾオオサクラソウが咲き誇る山道を楽しんだ。その頃には訪れる人もそれほど多くは無く、途中の道は一部不鮮明なところもあった。 私達はもう一度その様似山道を歩くことにした。もちろんもうお花は終わっているが、この山道の昔日の面影を追いながら歩きたいと思ったからである。 様似山道は様似町の指定文化財となっている他、フットパスコースにもなっている。その歴史は遠く江戸期に始まり(1799年)、明治6年(1873年)には途中に原田宿が建てられたとある。海岸線の道路が出来るまでの日高耶馬渓を行く唯一のルートであったのだろう。 2009年11月22日午前9時30分、私達とkさんの3名で幌満トンネル脇を出発した。今回歩くコースは4年前と同じで幌満の東口からコトニ入口までの約5.6kmである。トンネル手前から橋の下に下りる。字の消えかかった木製の案内板に様似山道に関する記述がある。その手前にある「様似山道フットパスコース」の標識とは妙な対比である。 |
幌満トンネルの手前から下りる |
橋の下を潜り抜けて幌満川の右岸沿いに進んで行くと入林ポストがあり、その側に「様似山道入口(東入口)」と書かれた案内板があった。全長6995mと書かれているのは西入口までの距離である。円いフットパスのワッペンも貼ってあった、「えりも・天馬 とんがりロード」とも書かれてある。 |
幌満川沿いに進む |
東入口 |
階段を登っていよいよ山道に入って行く。最初はビラオンナイの深い沢だ。沢に入るとすぐに赤いテープが目に飛び込んできた。そのテープに誘われるようにして進んで行く。それにしても4年前にはこんなに多くの目印は無かった。雪解け水を避けながら右に左にと歩いた記憶がある。今回はそんな苦労は無い、結局コトニの入口までテープを見ながら歩くことになった。 「フットパスは、自然の中を散策し、歴史や環境、その地域のものを学びながら探索して歩くものです」様似町のホームページにはそう書かれている。歴史を感じながら歩くこの山道はまさしくそれなのだろう。 ただ「フットパス」と言う心地よい響きにとらわれて、簡単に歩けると思ってはいけない。私はこの山道は登山装備が必要だと思う。最初の沢にしても足場は悪いし、これから進む沢の難所もあるのだ。そしてもちろん熊の気配だって感じながら歩くこともあるだろう。 やがてテープに導かれながら尾根へ向かって登って行く。 |
尾根に向かって登って行く |
この日の天気は、、、久々の晴れ模様、山道の中では風も弱い。所々にちょっと積もった雪を踏みしめながら登って行く。もちろんこの時期だからすれ違う人などいない。私達3名だけの静かな山道歩きとなった。 |
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