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3年前、つまり2005年の8月5日から二泊三日で天人峡温泉からトムラウシ山へ登っていた。ヒサゴ沼二泊と言う余裕をもった日程だったが、初日のガスと強風にはかなり辛い思いをした。「そう言えばあの時、化雲岳までの間の展望はほとんど見れていないわよね」「うん、初日は濃いガスに包まれていたし、帰路の遠望は雲の中だったから・・・」、そんな記憶を辿りながら私達の行先は決まった。天人峡温泉から小化雲岳周辺までピストン、距離にして片道約10km弱程度、今年はオプタテ日帰りをこなしていたし、早めに出発すれば問題は無さそうである。

2008年7月27日、前夜は美瑛町の道の駅で車中泊した私達は、早朝天人峡温泉に向かっていた。ちょうど忠別湖の彼方、旭岳の山裾付近から朝日が昇り始めた、「これは今日は良いぞっ」そんな確信をいだきながらカメラを向けた。

忠別湖
忠別湖の彼方から朝日が昇る

天人峡温泉の第一駐車場は満車だったので、トンネル手前まで戻って第二駐車場に車を止めた。すぐに装備を整えて登山口へ向かった(登山口まで約350mほど)。午前5時25分登山口を出発した、急斜面と言うよりも壁に刻まれたに三十三曲りの登山道が続く、細い登山道は足元注意である。
3年前にはここを縦走装備で登ったのだから・・・それにひきかえ今回は日帰り装備である。条件的にも気分的にも楽ではあったが長距離の山行になるから、それなりの配慮は必要だ。登りのリミットはちょっと余裕を持って11時30分と決めていた。それが今回の二人の山頂とすることにしていた。

三十三曲りで一気に標高を稼ぐと、登山道は平坦になり滝見台へ、6時15分。「今日は見えてるわよっ」おばさんの声が弾む〜旭岳である。もちろん対岸にはあの羽衣ノ滝が見えている。

登山口
登山口

三十三曲り
三十三曲りの登山道

旭岳
滝見台からの旭岳

羽衣ノ滝
羽衣ノ滝(下山時撮影)

滝見台からはしばらくほぼ平坦な路が続く、ただ左側が崖になっているので足を滑らせると滑落の恐れがある場所も〜ここも三十三曲り同様足元注意である。
突然ザワザワと笹をかき分けて移動して行く音が聞こえた。思わず立ちすくむ、「なんだろう・・・」・・・・・・あきらかに大きな動物が移動している音だ。「う〜〜ん、エゾシカじゃないかい?熊じゃないと思うけど、、、」私達は一応鈴を鳴らしながら歩いていた、風も無く静かな状況だったからこっちの存在は十分伝わっているはずである。熊ならきっとジッとして見過ごしてくれるか、音もたてずに立ち去ってくれるかのどちらかだろう。そう信じていたし、そう信じたかった。物音がしなくなって、、、私達はまた進み始めた。どうも今年は動物との接近が多い!

3年前のこの付近は虫の攻撃が凄まじかった。しかしこの日はほとんどいない、、、登山道脇に咲く花々にカメラを向ける手にも余裕があった。イチヤクソウが群れ〜アリドオシランが咲き、、、

ざわざわ

イチヤクソウ
イチヤクソウ(おばさん撮影)

アリドオシラン
アリドオシラン

やがて登山道は第一公園に向かって登って行く。「もうすぐだなっ、視界が開けるぞ」、そして目の前に木道があらわれ第一公園に入ったことを知る。青空である、もちろん旭岳も見えていた、コツコツと木道を歩く音が心地よい・・・8時10分。

第一公園への登り
第一公園への登り

第一公園
第一公園へ

旭岳
第一公園からの旭岳

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