title

苔むした
苔むした登山道を行く

オプタテシケ山には2年前の8月末に日帰りで登っていた。距離にして片道約10km弱、標高差約1190m、GPSによる累積標高は1620m(2年前のGPSログによる)である。普通に考えると美瑛富士避難小屋での一泊であろう。「もう一度日帰りで行ってみたい」そんなおばさんの提案に私は頷いた。花の時期にもう一度歩いてみたかったし、自分たちの体力を試してみようと言う気持ちもあった。場合によっては途中断念はもちろんあり、避難小屋泊も考慮にいれながら挑戦することにした。

2008年7月20日午前5時55分、登山口を出発した。2年前と違うのはおばさんも首からカメラをぶら下げていたことだ。二人で写真を撮りながら進むのだからどうしてもその歩みは遅い。道端の花にカメラを向ける〜出発して間もなく後から来たご夫婦が抜いて行く。作業道跡から山道に入って行く、苔むした登山道はガスに包まれ〜幽玄の世界を感じるような静寂に包まれた。この光景が今回の山行そのものであったと結論を記しておく。

ベニバナイチヤクソウ
ベニバナイチヤクソウ

コガネギク
コガネギク

ミヤマホ・・・
ミヤマホツツジ

ゴゼタチ
ゴゼンタチバナ

「暑いですねぇ」途中で休んでいたご夫婦と言葉を交わして先に進む。気温はそれほど高くは無いのだが湿度が上がっているようだ、水分補給にも十分注意が必要だ。私達が休んでいるとまたご夫婦が追いついてきた。「どちらまでですか?」おばさんが声をかける。「オプタテまで・・・と思っているんですけどね・・・」「私達も行けるところまでと思っているんです」「天気はまずまずのようですけどね」「そうですね、雨が降らなければ〜〜〜」そんな言葉を交わして通り過ぎて行く。結局このご夫婦にはもう追いつくことは無かった。
天然庭園で一息ついてからしばらく進むと岩れきの斜面が目に入って来る。「さあ、今回はどんなお花が楽しめるでしょうか〜」おばさんも期待に胸をふくらませて実況口調になっていた。花後のチングルマやエゾコザクラ、そしてまさに旬のエゾツツジが目に飛び込んで来る。登山道脇にはアカモノがいっぱい咲いていた、「注意してよ、触るとすぐにお花が落ちてしまうから・・・」良く見ると確かに周囲に落ちている花もあった。

岩れきを見て

アカモノ
アカモノ

そんな花々を楽しみながら休憩していると一人の若い女性が下りてきた。「どちらまで行ってきたんですか?」おばさんが問いかけた。「双子池までです、天気は昨日も大体こんな感じでした」、途中で咲いていた花の情報などで話が弾む。「すごいですねぇ〜一人でなんて」そんな私の言葉に〜くったくの無い笑顔で答える女性に別れを告げた。

ポツポツと少し雨を感じた、あわててレインウェアを着込む。水無川の源頭部にさしかかった。濃いガスが流れ落ちるかのように周囲を包みこんでいた。「まあ、今日はこんなもんだろうさ〜雨が降りだしたら小屋までで中止すれば良いし・・・」かえってこんな天気だけに悔しさ?は無い。やがて視界の先にぼんやりと避難小屋が浮かんできた。午前9時20分

源頭部
水無川源頭部を見て

もう一息

着いたぜい
美瑛富士避難小屋へ

登山ものがたりへ 次のページ HOME