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やがて登山道脇に「無名山」の標識を見る。ここから岩石山の山頂を目指して目印の無いロックガーデンを登って行く。視界が悪いのでおおむね方向を定めて登り始めたが、、、かすかな踏み跡らしきものがあちこちの方向に向かって見受けられる。「右の樹林帯の際に比較的鮮明な踏み跡がありますよ」、無味乾燥なロックガーデンよりも緑の側が良いし、この濃霧である〜方向だって曖昧になり易い。樹林帯の際には鮮明な踏み跡があった、これなら安全である。

岩石山への登り口
岩石山山頂部への登り口

ロックガーデン
ロックガーデンを登る

樹林帯の際を

「あっ、咲いてるよぅ〜〜〜」「おぉ〜〜〜見事だねぇ〜〜〜」その視線の先にはイワウメが咲いていた。岩の間に敷き詰められた、柔らかいマット状のヒースの中に、流れ落ちるように淡いクリーム色の姿を散りばめる。花期の終わりに見るピンク色の個体はほとんど無い、まさに旬の状態だった。

「すみません、写真撮りますので」「どうぞどうぞ、ゆっくり撮って下さい」、もう山頂は目の前だと言うのに私達はザックを下ろした。周囲を見回しモデルさん選びをする、これぞと狙ったイワウメにカメラを向ける〜〜〜ファインダー越しに私は思わず声を発していた、「いいぞぉ〜〜〜これは良いぃ〜〜〜」、ゆっくりとシャッタを押した。

イワウメ1

イワウメ2
イワウメ

コケモモ
コケモモ

10時50分、岩石山の山頂に立った。登りはじめてから約2時間弱、ゆっくりとお花を楽しみながらの行程だった。

山頂からの展望はもちろん無い。しかし濃霧に包まれながらも風は無いしちょっと明るさも感じて、ポカポカしたムードである。「意外ですよね、山頂はもっとひどいかと思いましたけど・・・」「展望は無いですけど、これだけお花も楽しめましたからね、良かったですよ!良い山ですね」軽食を口にしながら会話が弾む。
「これからどうするんですか?」koさんが聞いてきた、「はい、ここを下りてから東ヌプカの登山口まで行って、あの周辺を少し歩きたいと思っているんです」「あぁ〜〜そうですか、良いですよ」、koさんは私達がここで終わる筈が無いことを見越していたように、快く次もご一緒してくれると答えてくれた。

間もなく〜携帯に「明日の山行は中止」とのメールが入った。「じゃあ、今日はゆっくりだね、今日中に札幌まで戻れば良いから」

山頂へ
山頂へ

標識

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