ミヤマワレモコウ
ミヤマワレモコウ

スタート

今年の山行レポートの始まりは、ほぼ天気の話からである。それだけ週末の天気には恵まれていないと言うことだ。世に言う地球温暖化のせいもあるのだろうか・・・局所的豪雨、日々変化する天気予報、夏らしい暑さもあまり感じない日々等〜身近に迫りつつある現実を身を持って感じる日々の連続であった。

この週末の天気予報もあまり優れなかった。展望はあきらめるとすると・・・「どうせ登るのならお花よね〜でも今時季の山で花を楽しめるとしたら・・・」それはもうアポイ岳しかなかった。春のお花のシーズンは大賑わいの山である。しかし何度か過去のレポートにも書いたが、春から秋まで花を楽しめるし、特に夏や秋には地味ながら「花ファン」には目を放せない山なのである。今回はそんな花模様を中心にレポートすることにした。

2009年9月6日、アポイ岳登山口は予想外の日差しを受けていた。さすがにこの時期の登山者は少ない、先行している人たちは数名程度、午前8時〜「久しぶりに楽しくなりそうね」おばさんはニコニコしながら樹林帯を進んで行く。早速足元にミヤマウズラが姿?を見せる。「こっちの方が良いよっ」モデルさん?探しの上手なおばさんはすぐにしゃがみ込みカメラを構える。私もそれに続いて・・・

樹林帯を行く

ミヤマウズラ
ミヤマウズラ

何度も何度も立ち止まりながら・・・いつもと同じく遅々として進まぬ山行に私は苦笑いしていた。でも特に下山後の予定があるわけでも無く、とにかくしっかりと花を楽しみたいから、時計を見ながら急ぐことなど無い。

おばさんがまた立ち止まった、、、様子が違った、、、「鳥よっ」小声でそう叫んでカメラを構える、その先には大きな鳥がとまっていた、マツボックリを足でつかんでつついている。「ほらっ、速くシャッターを押せよっ」そんな声を抑えていた・・・おばさんがシャッターを押す、、、ちょっと近づいて・・・ピントを合わせて・・・シャッターを押す。ホシガラスだ、初めて見る鳥だった。さすがにシャッター音に気づいたのか〜ホシガラスは大きく羽ばたいて森の中へ消え去った。
「オートフォーカスにしていれば良かったなぁ〜〜〜」おばさんは悔やむように呟く。それでも何とか下の写真は撮れた。

樹林帯の登山道は風も無く蒸し暑かった、第四休憩所のベンチに座りタオルで汗をぬぐう、ふっと風が吹いてくると・・・さすがにこの時期である、汗が一気にひく。「さあ、行こうか〜」、大きくジグを切りながら斜面を登って行く。5合目の休憩所が近づいてくる。視界が一気に広がる・・・アポイ岳が眼前に聳える。強い日差しが照りつけていた。

ホシガラス
ホシガラス(おばさん撮影)

5合目
5合目へ

アポイ岳を見る
5合目からのアポイ岳

5合目の休憩所着は9時30分、登山口から1時間半である。「もう私達にはこの時間を切って登るのは無理なのね」おばさんがしみじみと言う。それは私達が老いた〜と言うことでは無い。花を愛でながら歩くから、写真を撮りながら歩くからである〜とムキになって弁明しておく!!!

馬の背に向かって岩場の急斜面を登って行く、キツイ登りではあるが花々を見ながら登って行くのだから楽しい。チシマセンブリやハクサンシャジンが咲き、、、以前確認していた岩場を覗き込む。「どうだいっ?」「あったよ、、、咲いてるよっ」今回のお目当ての花、ヒダカミセバヤが咲いていた、ちょうど咲き始めである。一人の女性が早くも下ってきた、私達を見て怪訝そうな表情だったので、「ヒダカミセバヤですよ」「そうですか、上でも咲いていましたよっ、今日はそれを見に来たんです」と微笑む。

登り

岩場

ハクサンシャジン
ハクサンシャジン

ヒダカミセバヤ
ヒダカミセバヤ(おばさん撮影)

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