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標高約950m、前方に大きな壁が立ちはだかった。「えっ、ここを登って行くの・・・」おばさんは叫んだ。私達には確かに強烈なインパクトがあった、まさに「立ちはだかる!」そんな急斜面だった。微かに残るトレースはそんな壁に向かって進んでいる。私は先頭を交代して進んで行く、雪の状況次第では雪崩も誘発しかねない箇所のようでもある。そんな急斜面も近づくと意外と登るポイントがあるものだ。ジグを切りながら慎重に進む。

「私が先に・・・」途中からおばさんがそう言ってキックターン、大きくジグを切り再びゆっくりと慎重に足元を固めてキックターン、この場面での転倒は危険でもある。

1000m付近の急斜面
立ちはだかる「壁」

大きくジグを切りながら

高度が上がるにつれて斜面に沿った木々が光り輝く、、、そして展望がグンと広がって来る。私もしっかりと足元を固めてからカメラを取り出した。定山渓天狗岳を中心に、右に烏帽子岳、左にヒクタ峰〜白井岳〜朝里岳と続く札幌近郊の山が一望である。

急斜面の向こうに・・・

札幌近郊の山々
中央に定山渓天狗岳、右に烏帽子岳、左にはヒクタ峰〜白井岳〜朝里岳と続く

やっとこの「壁」を登り切り傾斜がゆるやかになると、そこにはまるでご褒美のような銀世界が広がった。薄い青空がほんの少し、そして純白の輝きが私達を包みこむ。雪を纏って凍てついた木々に柔らかな陽射しがあたり、輝く・・・「綺麗だ〜〜〜」私は呆然として立ち尽くした。おばさんはそんな中を雪面に一筋のトレースを描きながら黙々と進んで行く。うれしくてどうしようもない〜と言った様子である。私はカメラを手にしながらシャッターチャンスを待つ・・・

そしてそんな空間を抜け出ると・・・

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