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いよいよ稜線に飛び出す最後の急斜面に取りついた。あのQさんはルートを探しながら快調に登って行く、おばさんが後に続く。凍てついた木々が殊更美しく、、、そんな中を登って行く姿は・・・私はカメラを構えながら後を追う、、、次に展開される光景が美しいことを知っていたから・・・

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目の前がグンと開けてモノトーンの世界が広がった。「陽射しが無いのか〜〜」私はちょっと気落ちしながら視線を写した。青空の下に輝く樹氷の姿は無い・・・「まあモノトーンもそれなりに」そんな言い訳を考えながら先を進む二人の姿を横からとらえようと、間隔を取りながら平行して進んで行く。

カメラのファインダーにバッテリーアラームが写っていた。「えっ?充電してきたんだけど・・・」シャッターを押してみる、「まだ大丈夫だろう」安易に考えていた。

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10時50分、小雪の舞う無意根千尺高地に到着、スタートしてから3時間であった。「まあ、今回はラッセルだったからね、こんなもんじゃないの」そう言いながら周囲を見渡す、やがてTMさんも到着した。

もちろん視界は良く無い、おばさんは残念そうに樹氷を見つめる。「今日はここまでですね」私達はあっさりと長尾山はあきらめた。「私も今日はここまでにします、この天気ですからね」TMさんも呟く。「ちょっと風を避けて少し下って休みにしますか」、、、もちろん写真を写す必要も無い、写すべき対象がほとんど無いのだから、、、と、その時だった。

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