title

高度が上がって右側(南西方面)の展望が開けて来た。「わ~これは凄いぞ!」遠く札幌近郊の山々が見えていたのだ。白い山々を基点として山座同定してみる。その山裾の広がりから判断して「あれは余市岳だよね」~そこから位置的に手稲山や烏帽子岳方面と推定する。更に南へ視線を移すと支笏湖周辺の山々のシルエットだ。やや霞んではいるものの距離的に考えればこれだけ見えれば大満足。眼下には青山ダム方面とその奥に連なる山々。そんな展望を満喫しながら~風の強くなってきた尾根を更に登って行く。

1
遠く札幌近郊の山々が見えていた(ズーム撮影) 右に余市岳と白井岳、中央付近に手稲山、左に烏帽子岳と百松沢山か?

2
右から百松沢山~札幌岳、そして恵庭岳、樽前山等の支笏湖周辺の山々(ズーム撮影)

3
眼下の青山ダム方面

4
もうすぐ842mピーク

9時15分、842mピークに到着した。ここで目の前の景色は一変して~荒々しい山容が目に飛び込んで来る。頂上へ向かって刻まれた崖縁の細い登山道が見えて、さらに深い沢を囲むように南東ピーク方面へと続く景色は圧巻だ。

「行こうか」いよいよ山頂に向かって進んで行く。一旦少し下って右側が切れ落ちた細い登山道を進み~すぐに崖縁の急な階段登りが始まる。「気をつけろよ!」私は先を進むおばさんに声をかけた。足元注意はもちろんだが風が結構強く吹いていたからでもある。眼下に落ち込む深い沢を見ながら慎重に一歩一歩登って行く。

5
前方に目指す山頂  荒々しい山容が目の前に迫る
6
南東ピーク方面

7
山頂へ向かって

8
崖縁の急な階段を登って行く

そんな緊張する場面でもあるのだが・・・今回の山行のメインとも言える山野草観察が出来るところでもあるのでちょっと厄介だ。見下ろす崖斜面には点々と花々が張り付く様に咲き始めていた。私はここを撮影するために持って来た望遠レンズに取り替えて撮影を開始した。黄色の花は・・・どうやらコキンバイのようである。眼下の岩場にはミヤマアズマギクが咲き始めていた。そして急斜面に張り付く様に咲く白い花は~エゾノハクサンイチゲだった。

9
眼下に落ち込む深い沢

10
崖斜面に咲くコキンバイ?の群落(望遠レンズで撮影)
11

12
眼下の岩場にはミヤマアズマギクが咲き始め(望遠レンズで撮影)

13
急な斜面に張り付くように咲くエゾノハクサンイチゲ(望遠レンズで撮影)

エゾノハクサンイチゲは登って行く細くて急な登山道脇のあちこちでも咲いていた。ちょうど咲き始めで、その美しさには目を見張るものがあった。しかし~問題は強風だった。花が揺れて揺れて、一瞬動きが弱くなったのを見極めて連写モードでの撮影となったのである。もちろん足元をしっかりと確保してから。

ヒメナツトウダイもとても綺麗だった。花序が面白いトウダイグサ科の植物だが、紋別岳(伊達紋別岳)や尻別岳などあちこちで見る事が出来る。少ないながらもチシマフウロも咲き始めていた。そして北海道固有種のタカネグンバイ、まだ咲き始めたばかりだったが何とかカメラにおさめることが出来た。

そんな花々に囲まれながら~9時55分、神居尻山の山頂に立った。登山口から2時間25分だった。

14
エゾノハクサンイチゲ
15

16

17
ヒメナツトウダイ
18

19
チシマフウロ

20
センボンヤリ

21
タカネグンバイ
22

23

24

25
もうすぐ山頂

26

登山ものがたりへ 次のページ HOME