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急な岩尾根を足元を確認しながら慎重にゆっくりと登って行く。西側から南側には青空が広がっていて、眼下には様似町の海岸線が美しく広がっていた。青空とブルーの海と~この山の特徴的な光景でもある。

「あっ」すぐ前を歩いていたおばさんが叫んだ。「シマリスよ、ほらそこにっ!」、なんとおばさんの足元の登山道を横切りハイマツの中に飛び込んだようだ。「あっ、出て来たよっ」シマリスはハイマツの実と格闘し始めた。私は慌てた、カメラの設定は景色や山野草の撮影モード、しかもマニュアルフォーカスだ。レンズを交換すべきか迷っていると~目の前のハイマツの上にやって来た。ダメ元とばかりにピントを合わせてシャッターを押した。なんとか写させてくれたシマリスくんに感謝のひと時だった。

やっと斜度が緩んで来ると馬の背は近い。キンロバイやアポイハハコ、イブキジャコウソウなどが咲くお花畑を楽しみながらゆっくりゆっくりと進んで行く。

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急な岩尾根を登る

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眼下に広がる様似町の海岸線が美しい

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ハイマツの実と格闘中のエゾシマリス
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馬の背へ向かって

【アポイ岳で見られた花模様 その3】

やや終盤のものが多かったがエゾサイコが見られた。海岸線や山地の草原に咲くホタルサイコの近似種で、より小型で先が尖ったイメージが特徴的だ。アポイ岳の固有変種であるアポイマンテマがやや終盤ではあったがまだ咲いていた。濃いピンク色の花も見ることが出来た。エゾシオガマも何とか間に合った感じ、ここでは茎やがくに短毛が多い変種ビロードエゾシオガマのようである。


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エゾサイコ

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アポイマンテマ
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濃いピンクのアポイマンテマ

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ビロードエゾシオガマ

8時35分、馬の背に到着。やや雲が多く~広がる展望は楽しめなかったが・・・とにかくザックを下した。どっと噴き出す汗を拭って水分補給、軽食も頬張り塩分補給をしっかりと。やっと一息ついて周辺の花模様を楽しむ。この頃になると後続の人達や下って来る人達の姿も多くなってきた。流れる雲で山頂方面は見え隠れしていた。「雨さえ降らなければね」~そう言いながら立ち上がり、いよいよ山頂に向かって進み始めた。

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馬の背

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遠望は雲に覆われていた

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いよいよ山頂へ向かって歩き始める

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登山道脇を彩るキンロバイ

【アポイ岳で見られた花模様 その4】

久しぶりに見たヒメエゾネギはやや終盤だった。タデ科の多年草であるオヤマソバがとても綺麗に咲いていた。キンロバイと共に固まって咲いているのがうれしい。ヒメエゾネギ共々、北海道では見られる場所はそう多くは無いようだ。蕾をいっぱいつけたウメバチソウ、何とかまだ花をつけていたエゾルリムラサキも見られた。


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ヒメエゾネギ

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オヤマソバ
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ウメバチソウ

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まだ咲き残っていたエゾルリムラサキ

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