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2018年7月12日、私達は大雪山赤岳に登ることにした。先日の大雨で一時通行止めになっていた銀泉台への道道が解除となって3日後のことである。心配していた道路状況もほとんど問題無く、早朝の駐車場に着いた。その手前で視界が開けるところがあって~そこで石狩連峰をカメラにおさめる。毎年ここでの山行前のルーチンワークみたいなもので、この日の天気を再確認するためでもある。見事な展望が広がっていてひとまずほっとする。

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銀泉台から石狩連峰を望む

駐車場には先行しているまたは縦走していると思われる車が10台ほど止まっているだけで、あまりの静けさに驚きながら装備を整えた。

午前5時55分、いよいよ今シーズン最初の大雪山へ一歩を踏み出した。やがて赤岳登山口の標識を見ていよいよ急斜面を登って行く。「今年は遅れてるのかしら」この時期ならいつも見られている花々がほとんど蕾だったり~その様子を確認出来なかったり・・・確かにこの周辺ではこれからが開花シーズン到来になるかもしれない。それでも、あの赤岳山頂周辺の広大な稜線の花々を見たいとの思いからこの日の山行となったのである。登山道脇にホソバイワベンケイの姿を見てほっとしながらカメラを向ける。

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早朝の銀泉台をスタート

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登山口

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急斜面を登り

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ホソバイワベンケイ

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コヨウラクツツジ

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ミヤマエゾクロウスゴ

斜度が緩んでやがて急斜面のトラバースに移る、もちろんまだ雪渓が残っていた。視界はグンと広がって~ニセイカウシュッペ山から平山、屏風岳、そして武利岳、武華山と北大雪の山々が連なる。さらに遠く阿寒の山々まで~その広がる美しいシルエットにはいつも圧倒されるところだ。

しかしそんな展望を目にしながらも~やはり注意は足元だろう。雪渓はやや規模が小さくなってきたとは言うものの~滑落と言う危険とは隣り合わせだ。特に雪渓の始まりと終わりの部分は一部凍っていることが多い。慎重に確認しながら第一歩を踏み出す。刻まれたステップにあわせてゆっくりゆっくりと進んで行く。

第一花園の雪渓を越えてひと登りで台地に出る。ここは休憩ポイントでもある。この日は~予想以上の青空が広がっていて風も弱い。「絶好の登山日和になったね」そう言いながら汗を拭ってすぐに出発だ。かん木トンネルを潜って行くのだが。登山道には予想通り雪融け水が流れ込んで川の様相を呈していた。ある程度じゃぶじゃぶと漕ぎながら登って行くのは最初から織り込み済みだ。それよりもまだ花の彩りが目に飛び込んで来ない。エゾイチゲやミツバオウレンが緑の中に目立つ程度だった。

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最初の大きな雪渓

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左端にニセイカウシュッペ山や平山、右端に屏風岳

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屏風岳と右に武利岳と武華山

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第一花園の雪渓を行く

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雪融け水が流れるかん木のトンネルを行く

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エゾイチゲ

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ミツバオウレン

かん木帯を抜けて第二花園、奥ノ平と夏道を挟みながらも雪渓が続く。雪渓越しに見る石狩連峰や北大雪の山々等・・・ここはこの時期ならではの展望を楽しみながらの登りに徹することになる。やっと登り切って平坦地にでるとほどなく神ノ田圃だ。小さな沼だがとても静けさを感じる地点で私の大好きなところでもある。

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第二花園の雪渓

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雪渓越しに見る石狩連峰が美しい

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奥ノ平の雪渓の奥に見る北大雪の山々

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奥ノ平

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静まり返る神ノ田圃

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