「そろそろ行きましょうか」リーダーの発声を合図に、いよいよ稜線歩きが始まった。稜線を少し進むと、やや暗い印象はあるものの西側にオキシマップ山やルチシ山が見えて来た。低木を交わしながら狭い稜線を進んで行く。張り出した雪庇は十分安定しているように見えるが、東側はスッパリと切れ落ちているから、時折木々の根元付近の雪を踏み抜きながらも慎重に進んで行くことになる。1088mピークへと続く白い稜線、しかし奥に見える豊似岳のピークがやや暗いのが気がかりだった。 |
いよいよ稜線歩きが始まった |
やや暗い印象はあるものの、オキシマップ山とルチシ山が美しい |
1088mピークへと続く稜線、左奥に小さく見える豊似岳は暗い |
慎重に雪庇上を進む |
やがて前方には豊似岳の前衛峰とも言うべき美しい1088mピークが広がり、その右に観音岳が見えている。観音岳は標高932mだから、稜線歩きはそれをほぼアイレベルか見下ろす形で進んで行くことになる。何となく今自分達の在る位置が実感できるのがうれしい。 目の前に1088mピークがどんどん近づいて来た。それはとても高く見えて威圧的でもあるのだが、ゆっくりと登って行くと見た目よりは優しく?迎えてくれるピークでもある。それにしても相変わらず強風が吹き荒れていた。ハイマツを交わしてひと登りで1088mピークに到着だ、午前10時55分~約45分の稜線歩きだった。 |
美しい1088mピークを見ながら |
観音岳 画像クリックで幅1024ピクセルのパノラマ画像表示 |
歩いて来た稜線を振り返る |
迫る1088mピークはとても高く見えて |
ハイマツを交わしながら1088mピークへひと登り |
強い風を避けるようにして稜線東側の低木帯でザックを下した。この頃になると豊似岳はもう見えていなかった。「ここを今回の頂上にします、休憩したあと下山します」リーダーの指示に全員納得の表情だ。この状態でこれ以上の山行は危険を伴いかねない。ザックを下し軽食を頬張り水分補給をしながら大休止。周辺には濃いガスがたちこめてきた。 約30分ほど休憩して下山を開始した。濃いガスに包まれた時折烈風吹きすさぶ稜線を、何度も立ち止まりながら慎重に戻って行く。稜線分岐に辿りついてほっと一息、ここまで戻るとひと安心だ。尾根上の雪庇をどんどん下って行く。高度が下がるにつれて眼下に視界が戻ってきた。 13時10分、登山口に到着。「お疲れさまでした」~目指すピークは踏めなかったが、全員満足の表情だった。「また来年も宜しくお願いします」お礼を言って私達は札幌への帰路についた。 |
周辺はガスに包れて |
濃いガスと強風が吹き荒れた稜線を戻る |
尾根を下って行く |
眼下に百人浜の海岸線を見て |
■ 大展望が広がった昨年(2016年4月10日)のレポートはこちらから |
コースタイム(含休憩時間) 歩行距離(往復) 約8.1km GPSトラックデータより 登山口 08:05 稜線分岐 09:55-10:10 1088mピーク 10:55-11:25 稜線分岐 11:50 登山口 13:10 登山口までは閉鎖された肉牛牧場跡を進みますが、入口にゲートがあり施錠されています。車で入る場合には事前にえりも町役場で鍵借用許可が必要です。 |
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