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うっすらと続いていた踏み跡は、、、やがてスキーの滑りのトレースにかき消されていた。この付近から自分達で方向を定めて交替でのラッセル開始だ。それほど深く沈み込むことは無いものの、登るスピードはグンと落ちる。
「ゆっくり、ゆっくり」そう自分に言い聞かせながら登って行くと、前方にまた踏み跡を見つけた。「ふ〜ありがたい」と一息つきながら眼下の支笏湖とそれを囲む山々を見る。残念ながら樽前山や風不死岳は雲に包まれたままだった。「まあ、登っている間に見えて来るかもしれないし〜」そう言いながらまた登って行く。

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うっすらと残る踏み跡に沿って登って行く、やっと稜線が見えて来た。「もう少しだね」そう言いながら見上げた視線の先にそれはあった。まるで重機で雪山を除雪したかのように、雪庇が幅5mほどだろうか〜スッパリと切れていたのである。しかも下部に約20mほどの長さで笹も見えていた。崩落個所の奥には空洞も見られる。少し東側に移動してみたが、こちらも規模は小さいながらも雪庇は崩落していて、斜面の笹が見えていた。(稜線上の標高約650m〜680m付近)。

突破は出来そうだったが、稜線上を歩くことで雪庇に更なるストレスをくわえる危険があると決断して、「止めよう、ここで撤退!」「ここが今日の山頂よね」。私達はすぐさま下山を開始した。

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崩落個所をズーム

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眼下に支笏湖を見ながら、ジグを切って登った急斜面を一直線にどんどん下って行く。
山頂まで距離にして残り300mほど、もうひと息のところではあったが・・・「どうも今シーズンの冬山は、恵まれないよねぇ〜」と、またぼやく。「自然に逆らうことは出来ないから、、、」「そうだね、無理する必要は無いし、安全第一だよね」。私達はそう言いながら帰路についた。

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眼下に支笏湖を見ながら下山

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コースタイム(含休憩時間)
イチャンコッペ山登山口 09:30  標高660m付近 10:30-10:35  イチャンコッペ山登山口 11:00

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