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傾斜が緩み日勝ピークが近いことを実感する。もうすぐだ、風は一段と強くなってきた。雪は降っているわけではないのだが、足元から舞い上がり顔に突き刺さる。ハイマツが顔を出している、強風によろめくようにしてピークに立った、10時10分。視界は不良〜何も見えやしない。「まったく今年は、、、なんでこうなんだ!!!今日こそ青空だと思ったのに〜とにかく沙流岳は中止だ」もちろんおばさんも異議がある筈は無かった。

ピークから少し戻って風を避けながら休憩した。後続の人たちが登って来ている。「少しゆっくりしよう、ここなら風もちょっと弱いし、ひょっとしてペケレベツが見えたりするかも・・・」そんな果かない期待を持ちながらザックを下ろし、プチシューを頬張る。

さあ、もうすぐだっ

強風の日勝ピーク
強風にもまれながら・・・ピークへ

沙流岳は完全にあきらめてはいたが、せめて展望だけでもとミネラル飲料を飲みながら前方を見据える。「あっ、見えて来たんじゃない〜ペケレ」おばさんが叫ぶ。雲が勢い良く流れてなんとなく目の前にぼんやりと山が浮かびあがってきた。「おっ、ペケレだぞっ」私は叫びながらカメラを構えた。「ほら、もう少し」そんな言葉もむなしくまた雲が視界を遮って行く。

眼下には青空の下に十勝平野が見えていた。「あっ、真っ青だよ、青空だよっ」おばさんが大声をあげた。振り返ると白い斜面と青空がクッキリとしたコントラストで輝いていた。「ひょっとして見えてるんじゃないの?」私はそう言いながらまた登ってみるのだが、、、視界の先は雲に包まれていて〜〜〜そんなことが2度繰り返された・・・

ペ・ケ・レ・・・
見えそうで見えない・・・ペケレベツ岳

眼下に十勝平野
眼下に広がる十勝平野

げっ、青空だす

「よしっ、もうあきらめた、今日はここまで」私達は下山を開始した。登りのトレースよりも少し東側寄りの斜面を滑って行く。熊見山から1327.9m峰へと続く山々が見えていた。「まずまず、これだけ見えていればね」と自分に言い聞かせる。美しい樹氷を見つけて寄り添うように、、、大きく蛇行する国道を見下ろしながら、、、ちょっと重めのパウダーを慎重に下って行く。

11時15分、日勝峠の駐車地点に下り立った。「沙流岳はダメだったけど、、、何とか念願の青空は見ることが出来たし〜まあそれなりに楽しかったと言うことで」自分達を納得させながら帰路についたのだった。あぁ〜〜〜

ちょっとだけ展望を
1327.9m峰と熊見山

綺麗・・・
ちょっとだけモンスターを

下山

コースタイム(含休憩時間)
日勝峠 08:50  日勝ピーク 10:10 - 10:55  日勝峠 11:15
    
2005年3月21日の日勝ピーク〜沙流岳はこちら

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